台湾に永住権申請をする場合の注意点
台湾で日本人が婚姻以外の方法で永住権(定居許可)を取得するための一般的なルートはいくつかありますが、「大学や専門学校に通う」こと自体が直接の永住権取得手段としては一般的ではありません。
永住権を取得するためには、長期にわたり台湾での在住実績と合法的な滞在ビザ(就労ビザなど)を持つことが必要です。
つまり大学などに通うための学生ビザでの台湾滞在は、永住権申請のために必要な5年以上滞在の年数にカウントされません。他の国(例えばカナダ)などは学生ビザでの滞在年数がカウントされるので、永住権申請のハードルが比較的低いかもしれません。
今回は永住権を申請する時の注意点をまとめました。

以前、永住権を取得するには、という記事をまとめてありますので、そちらも参考にしてください。
このサイトでは台湾華語学習や役立つ台湾華語の日常会話、台湾で今話題のもの、台湾に暮らすように住むとしたらという前提の話題をお届けしています。少しでも台湾旅行や台湾への留学、滞在にお役立ていただけると嬉しいです。
それでは早速見ていきましょう。
1. 就労ビザからの申請が必要
日本人が台湾で永住権を取得するための主なルートは、就労ビザを取得し、継続的に台湾で働き、居住することです。一定期間(通常は5年以上)の就労ビザと居住実績があると、永住権の申請資格が得られる可能性があります。
2. 台湾での居住期間は5年間
台湾の永住権取得には通常、連続した5年以上の在住が求められ、年間183日以上台湾に滞在することが必要です。
ここでの注意点は就労ビザで5年以上の滞在が確実に必要だということです。台湾国内の大学に通学する学生ビザで4年間の滞在期間があったとしても、1年間の就労ビザでの滞在では条件を満たしたことにはなりません。
ただし大学や専門学校に通うこと自体は台湾での永住権取得に直結しませんが、在住実績を積むきっかけにはなります。
3. 特定分野での貢献
学歴や職歴、専門的なスキルによって、特定の分野(教育、科学技術、芸術、ビジネスなど)で台湾に貢献しているとみなされれば、永住権が比較的早く取得できる可能性もあります。
例えば、台湾の「ゴールドカード(就業金卡)」制度を利用すると、優れた人材と認められた場合に通常のビザよりも優遇された滞在資格が与えられ、永住権取得までの道が短縮されることがあります。
4. 年齢の制限
永住権取得における年齢制限の明確な上限はありませんが、通常、若年層や労働力として長期的な貢献が見込まれる方が申請はしやすい傾向があります。具体的な年齢制限については明記されていないため、実際には年齢よりも職歴や在住期間の方が重要です。
5. 台湾華語能力基準
現時点では、台湾華語(中国語)の能力について明確な基準は示されていないものの、申請者が台湾の社会に適応し、コミュニケーションが取れることが期待されています。そのため、基本的な中国語能力は申請に有利に働くでしょう。台湾の中国語能力試験(TOCFL)が一般的です。

以前、TOCFL情報についてまとめましたので、そちらもチェックしてみてください。
台湾の「就業金卡(ゴールドカード・Employment Gold Card)」を申請する際、TOCFL(台湾華語能力検定)のスコアが必須になることがありますが、これは全ての申請者に求められるわけではありません。
就業金卡制度では、科学技術、経済、教育、文化、芸術、スポーツ、金融など複数の専門分野での実績が評価対象となり、台湾華語能力が必須条件ではありません。そのため、TOCFLスコアが求められるかどうかは、分野や申請内容によって異なります。要求される場合は、通常はTOCFLのB2レベル(中級)以上が基準となることが多いです。
まとめ
- 就業金卡申請でTOCFLスコアが必須の場合、B2レベル(中級)以上が基準になることが多い。
- 台湾の大学・専門学校の卒業は、就職に有利だが、永住権申請の在住年数にはカウントされない。
- 卒業後に台湾での就職と就労ビザ取得に成功すれば、永住権の取得も現実的に可能。
台湾での学歴は就職には有利ですが、永住権取得に至るためには、就労ビザによる在住実績が必要です。
国によって永住権申請の条件が違いますので、ご自身が移住、永住をしたい国の情報を確認してみてください。永住権取得後の居住条件なども事前に確認しておくといいでしょう。

