台湾で永住権を取得するには?
台湾へ移住しようと考えた時、最終地点に永住権を取得したいという思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は台湾で永住権を取るにはどうしたらいいか、ということについて掘り下げます。
このサイトでは台湾華語学習や役立つ台湾華語の日常会話、台湾で今話題のもの、台湾に暮らすように住むとしたらという前提の話題をお届けしています。少しでも台湾旅行や台湾への留学、滞在にお役立ていただけると嬉しいです。
前回、台湾に移住するには?(必要な申請は?)という話題に触れました。
もし宜しければ合わせてチェックしてみてくださいね。
それでは早速見ていきましょう。
永住権が取得できる条件
台湾で永住権(APRC:Alien Permanent Resident Certificate)を取得するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
永住権は、台湾で一定期間生活し、特定の資格を持つ外国人に対して付与されるもので、滞在中の制限がなくなり、より安定した生活を送ることができます。
継続的な滞在期間
通常、永住権を取得するには、台湾で5年以上連続して合法的に滞在していることが必要です。
- 毎年183日以上台湾に滞在していること。
- 過去5年間、就労ビザ、投資ビザ、家族滞在ビザなどの有効な居留証(ARC: Alien Resident Certificate)を保有していること。
安定した収入があること
申請者は、台湾での生活を支えるために安定した収入が必要です。
通常、申請には以下の収入基準が求められます。
- 申請前の1年間の総収入が、台湾の平均給与額を上回っていること。
具体的な金額は年ごとに異なりますが、月額50,000台湾ドル以上が目安です。 - 所得税の納付証明や雇用証明書など、収入を証明する書類を提出する必要があります。
犯罪歴がないこと
申請者は、犯罪歴がないことを証明する必要があります。通常は、台湾および母国の警察からの無犯罪証明書を提出します。
その他の条件
- 依親居留簽證(家族滞在ビザ)で台湾に住んでいる場合は、台湾人の配偶者や親族が台湾籍であることが条件になります。
- 投資ビザを利用して永住権を取得する場合は、台湾国内に一定額(通常200万台湾ドル以上)の投資を行い、その事業が安定して運営されていることが求められます。
- 特定の資格や特殊貢献
台湾に対して特別な貢献をしたり、科学技術や文化芸術などの特定分野で優れた業績を持つ場合、永住権を得るための優遇措置が適用されることがあります。この場合、通常よりも緩やかな条件で永住権が認められることがあります。
永住権の申請手順
永住権を申請する際には、以下の手順に従います。
必要な書類を準備する
- ARC(居留証)
- パスポート
- 無犯罪証明書
- 収入証明書
- 健康診断書
無犯罪証明書を取得する
- 台湾での無犯罪証明書は、台湾の警察から取得します。
無犯罪証明書は、内政部警政署(National Police Agency, Ministry of the Interior, ROC)が管轄する各地の警察署または全国警察局で申請できます。
台北などの大都市では、指定された申請窓口があります。
- 台北市:台北市刑事警察大隊(Criminal Investigation Division, Taipei City Police Department)
- 各地の警察署や出入国管理局でも申請可能
必要な書類:有効なパスポート(外国人の場合)または台湾の居留証、身分証明書
申請書: 申請書は、警察署またはオンラインで入手できます。
証明写真(通常はパスポートサイズのカラー写真1枚):警察署によっては写真を現地で撮影できる場合もありますが、事前に持参することをお勧めします。
申請手数料: 申請手数料はNT$100~200程度
- 出身国の無犯罪証明書は「警察庁」が発行しますが、申請は都道府県の警察本部にて行います。
必要書類:有効なパスポート、戸籍謄本または住民票、申請書(警察署で提供)、指紋採取
申請場所:都道府県警察本部の公安委員会
申請手数料:無料
警察庁公式サイト:https://www.npa.go.jp/
収入証明書を取得する
台湾で永住権(永久居留証)を取得する際には、安定した収入を証明することが必要です。収入証明書は、申請者が台湾で自立して生活できることを証明するための重要な書類です。
- 雇用されている場合
台湾で働いている場合は、雇用主からの証明書が一般的な収入証明として使用されます。
- 在職証明書: 現在の雇用者が発行するもので、職務内容や雇用期間、給与額が記載されています。
- 給与明細: 通常は、最近の3ヶ月から6ヶ月分の給与明細書が求められます。給与明細には、基本給、税金、保険料の控除額などが記載されている必要があります。
- 納税証明書: 過去1年の納税証明書(所得税申告書)が必要な場合もあります。これは、税務署(National Taxation Bureau)から取得することができます。
- 自営業またはフリーランスの場合
- 事業登録証: 自営業者であれば、事業が正式に登録されていることを示す証明書が必要です。
- 所得証明書: 事業に関連する収入を示す銀行の取引明細書や請求書、領収書を提出します。
- 納税証明書: 所得税申告書または納税証明書も必要です。
これにより、事業の収入が安定していることを証明します。
- 上記以外の場合で資産証明をする場合
十分な資産を持っている場合は、銀行の残高証明書も収入証明として使用することができます。具体的な金額は移民署によって異なるので、確認は必ずするようにしてください。
- 台湾の銀行(もしくは海外の銀行でも場合によっては可)の口座残高証明書を取得
- 投資、年金受給の証明をする場合
- 投資の証拠: 投資収益がある場合は、投資に関連する収入証明書や株式、配当の記録を提出します。
- 年金または他の公的給付: 年金やその他の公的給付を受け取っている場合、その証明書を提出します。
- 配偶者が台湾国籍の場合、配偶者の収入や資産証明をする場合
配偶者が台湾国籍を持っている場合、その配偶者の収入や資産を証明します。
この場合、配偶者の在職証明書や給与明細、納税証明書などが必要です。
健康診断を受ける
永住権を申請する際には、台湾の指定医療機関で健康診断を受ける必要があります。健康診断書は、感染症や重大な健康リスクがないことを証明するために必要です。
健康診断を受ける際には、事前に病院で予約を取る必要があります。
特に外国人向けの健康診断は特定の曜日や時間にしか対応していない場合もあるので、事前に電話やオンラインで予約を確認する方がよいでしょう。
健康診断の費用は病院によって異なりますが、通常はNT$2,000~5,000程度です。診断結果が出るまでに数日かかることがあります。
指定病院リスト
- 台北栄民総医院(Taipei Veterans General Hospital)
- 台中栄民総医院(Taichung Veterans General Hospital)
- 高雄長庚記念医院(Kaohsiung Chang Gung Memorial Hospital)
- 国立台湾大学病院(National Taiwan University Hospital)
永住権申請のための健康診断は、正確なプロセスが重要なので、台湾の内政部移民署(National Immigration Agency)からの最新情報を確認することをお勧めします。
また、申請時に最新の指定病院リストも確認して、指定された医療機関で診断を受けることが重要です。
内政部移民署(National Immigration Agency)に提出
内政部移民署(National Immigration Agency)に申請書と共に上記書類を提出します。
申請が受理されると、審査が行われ、通常は数か月以内に結果が通知されます。
取得後の注意点
永住権取得後は、台湾での滞在に関する制限がなくなりますが、2年以上連続して台湾を離れると永住権が取り消される場合があります。
永住権取得者は、引き続き税金や保険の義務を負いますが、投票や選挙への参加など一部の市民権は付与されません。
永住権の条件や申請方法については、年ごとに変更がある場合があるため、必ず移民局の公式サイトや専門家に確認してください。
台湾の永住権(APRC)申請に関する情報は、台湾の内政部移民署(National Immigration Agency, NIA)の公式ホームページで確認できます。