2025年の台湾の鬼月は2025年8月23日〜9月21日
日本のお盆とよく似た「鬼月(農暦7月)」は、台湾ではちょっぴりこわいけど大切な月として知られています。2025年の鬼月期間は8月23日(土)夜11時〜9月21日(日)夜11時までとなっています。
好兄弟(ㄏㄠˇ ㄒㄩㄥ ㄉㄧˋ)と呼ばれる霊たちのために供養をし、彼らに優しくもてなす1か月となっています。
アパートやマンションの入り口、商店街やナイトマーケットの一角、オフィスビルの前、学校、会社、病院の敷地、コンビニやスーパーの駐車場、地元の廟などに祭壇のようなものが備え付けられ、そこにお菓子や果物、お酒や金紙などが供えられます。


今回は鬼月について深堀りします。
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それでは早速見ていきましょう。
どんなことをするの?
鬼月の間は、さまざまな場所で普渡(ㄆㄨˇ ㄉㄨˋ)というお供えの儀式が行われます。
中元普渡(9月6日)

- 一番大規模なのが、農暦7月15日にあたる中元節です。
- 神様、祖先、地基主(土地の神様)、そして好兄弟に向けて、食べ物・紙銭・香を供えます。

- 会社・市場・学校・マンションの前など、どこでも特設祭壇が出現します。
- ド派手な紙の城「金紙樓」や、豪華な供え物が山のように積まれます。


旅行中に見かけたら写真を撮るのは大丈夫です。
ただし、お供え物は触らないように注意してくださいね。
鬼月のタブー、やってはいけないこと!
台湾人はこの時期、かなり気をつけて行動します。以下は代表的な禁忌(ジンジー)です:
| タブー | 理由 |
|---|---|
| 夜の海や川に近づく | 水鬼(霊)が引き込むと言われています |
| 夜の爪切り | 魔を呼び込むとされる |
| 壁や鏡に話しかける | 好兄弟が現れるかも… |
| 口笛を吹く | 霊を呼ぶ行為とされる |
| 新居購入・結婚・開業 | 鬼月は“スタート”に不吉とされる |

台湾の人も現代では「そこまで信じてないよ」と言いつつも、「気持ち的に避けたい」という人が多いのが本音のようです。確かにやめたほうがいいよと言われることをあえてすることもないですしね。
鬼月ならではの手土産文化とは?
鬼月中は「供物」や「お礼の手土産」も盛んにやりとりされます。日本のお中元に近いイメージですが、台湾ならではのユニークな傾向があります。
定番ギフト
- 缶入り飲料の詰め合わせ
- 烏龍茶、緑茶、コーヒー、ジュースなど。
- 大量買いできて配りやすい。
- スターバックス、7-ELEVEN、全聯などどこでも販売しています。
- 贈答用に箱入りパックが多く、パッケージも豪華。
- インスタント麺セット(康師傅など)
- 普渡供え物に重宝。
- 地域によっては「好兄弟にも腹持ちの良いものを」という意味があるようです。
- お菓子・スナックの詰め合わせ
- ポテトチップス、カステラ、クッキーなど乾物系が多めです。
- スターバックスなどでもクッキー缶の販売があります。
トレンド商品(2025年版)
- スターバックスの【中元限定ドリンク缶ギフト】
- モダンな金色缶+お守り風ステッカー入りで人気。
- 桂格(Quaker)の【漢方系お粥・滋養ドリンクセット】
- 高齢者向けにも人気。ヘルシー志向が上昇中!
- ローカル系ベーカリーの【普渡用パイナップルケーキ】
- 地域限定パッケージが観光客にも人気。
贈ってはいけない(避けたほうがいい)ギフト
| NGアイテム | 理由 |
|---|---|
| 傘(傘=「散」) | 別れや不幸を連想させる |
| 時計(送鐘=終わり) | 告別を意味する |
| 梨(梨=「離」) | 分離・別離を連想 |
| 白い包装 | 喪に通じるためNG |

鬼月中のギフトには、「紅色のパッケージ」「縁起のいい数字(8など)」が好まれます。
鬼月ショッピングの楽しみ方
台湾では鬼月に向けて、どのコンビニやスーパーも「普渡コーナー」が出現します!
- 7-ELEVEN:缶詰セットやオリジナルお供えパック
- 全聯福利中心(PX Mart):地域限定品が豊富
- 家樂福(カルフール):お供え系商品がずらり
- スターバックス/City Cafe(OKmartや全家):限定ギフト缶も多数!
普渡が終わったらお供え物は持ち帰る
鬼月が終わるのを待たずに、普渡(供養)の儀式が終わったその日のうちにお供え物を持ち帰るのが台湾の習慣となっています。
なぜその日のうちに持ち帰るの?
台湾では次のような考え方があるからです:
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 霊は氣だけを召し上がる | 食べ物の「精気」を霊が受け取ったとされ、実物は残る |
| お供えが終わったら「人のもの」に戻る | 供養の役割を果たしたので、人がいただくのが自然 |
| 腐らないうちに持ち帰るのが礼儀 | 台湾の夏は暑い!食べ物は早めに消費が基本 |
| 「福」をその日のうちにシェアする意味がある | 良い運気・功徳をみんなで分かち合う文化 |
普渡当日の流れ(イメージ)
- 午後:祭壇に供物(お菓子・インスタント食品・飲料など)を並べる
- お祈りと金紙焚焼(紙銭を燃やして霊界へ送金)
- お供えが済んだらすぐに供物を「收普渡(回収)」
- 家に持ち帰って家族で食べる、またはその場でみんなで分けて食べる
持ち帰り文化=「福を分かち合う」
台湾人にとって、これはただの「残り物」ではありません。
霊と一緒に過ごした時間を人にも分ける=縁起が良いもの
家に持ち帰って家族で食べることで、「家内安全」「平安吉祥」のご利益を得られると考えられています。
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