親切の指標?World Giving Index 2023より読み解いてみた-台湾華語
台湾人は親切だということは、実際に旅行に行って身を持って経験した人もいれば、ニュースなどでも話題になったりと、よく見聞きすることでもあると思います。
一方で台湾に行っても親切にしてもらったことがないとか、逆に台湾に留学している方や仕事で駐在していらっしゃる方の中には、住むようになったらそんな風に感じないとおっしゃる方もいらっしゃいます。
この辺りの差異が気になり調べてみると、毎年Charities Aid FoundationがWorld Giving Indexという指標を公表しているようで、その指標を読み解いてみることにしました。
Charities Aid Foundationについて
チャリティ・エイド・ファンデーションは、すべての人々にとって公正で持続可能な未来に向けて、社会の進歩を加速させるために存在する慈善団体です。チャリティ団体、企業、慈善活動家を結びつけるというユニークな立場を活かし、寄付の流れを明確にし簡素化することで、チャリティ団体がより素晴らしい活動に専念できるようにしたとのことです。
World Giving Index 2023について
World Giving Index 2023はこちらから全部の統計を見ることができます。
指標の抜粋
順位 | 他人に親切にしたか(助けたか?) | 寄附をしたか? | ボランティア活動参加率 | |
台湾 | 97 | 55% | 38% | 11% |
日本 | 139 | 21% | 16% | 17% |
142か国中の指標順位は台湾が97位、日本が139位で、他人を助けたか?という項目では日本が最下位の21%でした。
他人に親切にしたか(助けたか?)
TOP10
順位 | 国 | % |
1 | ジャマイカ | 83% |
2 | リベリア | 80% |
3 | リビア | 80% |
4 | ナイジェリア | 79% |
5 | クウェート | 79% |
6 | ウクライナ | 78% |
7 | セネガル | 77% |
8 | ケニヤ | 76% |
9 | アメリカ | 76% |
10 | シエラレオネ | 76% |
BOTTOM10
順位 | 国 | % |
1 | リトアニア | 41% |
2 | ラオス | 41% |
3 | フランス | 40% |
4 | セルビア | 40% |
5 | モンテネグロ | 38% |
6 | パキスタン | 37% |
7 | クロアチア | 30% |
8 | カンボジア | 22% |
9 | ポーランド | 22% |
10 | 日本 | 21% |
これを見ると日本人の私たちは結構がっくりくるのですが、皆さんはどのように感じましたか?
指標から読み取れることは?
日本人は知人、友人には親切ですが、知らない人に対しては会話することさえも状況を伺いつつ、不必要なことは口出ししないという国民性があります。
日本語という言語構造から考えても、結論は文章の最後に出てくるので、直接的な言語ではなく、コミュニケーションを取りずらい言語であるとも言えます。さらに一般的に日本人は間接的な表現を用い、人との付き合い方も他人に関しては間接的です。
一方、英語や華語(中国語)に代表されるように多言語は、結論を先に言う言語であり、そのあと、補足的に付け足していく言語です。コミュニケーションを取ることで、その場をストレスなく過ごそうという国民性が英語を母国語とする国にはあります。
また台湾に関しては他人に接する際のアプローチ方法に特徴があり、そのアプローチの仕方は分かりやすく直接的であり、喜怒哀楽を隠さない特徴があります。南国ならではの特徴もあるかもしれません。
また5月21日から続いている民主主義国としての主張をするための大規模なデモがありましたね。台湾のニュースでは3万人を超える人々が立法院前(国会)に集結し、ねじれ国会における審議をしないまま法案を強引に採決しようとする行為について抗議をしました。
台湾という国は自分たちの主義、主張ははっきりと表明することを咎められない土壌があり、民主主義を維持するために、これからの未来をよりよくするために声をあげる、という背景があってのことだと感じました。
つまり…
他人に対してだけではなく、台湾の方々は自分の考えを持っていて、直接的な表現や接し方で自分の考えを述べていて、相手が旅行者だった場合はそれが「助けてもらった」、「親切にしてもらった」と感じているのかもしれないということです。
例えば留学や就職でクラスメイトや同僚になったり、もしくは結婚をして親戚関係になったりすると、時にはそれを「おせっかい」とか「ちょっと距離感が近すぎ」と思う方も出てくるかもしれません。その辺りは日本も同じかもしれません。
日本ではよほど仲が良くなったり、親しい間柄にならない時以外は、自分の意見を曲げずに押し通すことや主張することはないかなと思います。相手の状況とか心情を配慮して言わないことや、言葉を飲み込むことも多いのではないかと。
どちらがいいとか悪いとかということはないですが、お互いに心地よいと思える状況になるのが一番ですね。その辺りが指標の差に表れているのかもしれませんね。