2024年の中秋節はいつ?ー台湾
中秋節は台湾の三大節句(春節・端午節・中秋節)の1つで、中秋の名月、満月をめでる行事で知られています。中秋節は旧暦の8月15日なので、2024年は9月17日になります。
中秋節は学校や会社も休みになるので、家族で月餅を頂きながら月を愛でるのだそうです。日本でも中秋の名月、満月、うさぎ、すすき、団子というイメージはありますが、家族でわざわざそのために過ごすという家庭は少ないかもしれません。そもそも中秋の名月の日は学校や会社は休みではないですし、次の日も朝早くから出かけなくてはいけないし…、と愛でている余裕がないのも事実。
そんな慌ただしい毎日を送っている日本人にとって、台湾の人が三大節句の1つで大切な日として思っているのがちょっと不思議でした。今回はそんなどうして?を解決するため、台湾人にとって大切な3大節句『中秋節』をまとめてみました。
私のようにどうして?と思っていらっしゃる方が、なるほど!と思っていただけたら嬉しいです。
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それでは早速見ていきましょう。
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なぜ月を愛でることになったのか
一年中で最も綺麗な満月が見れる日とも言われており、正円に近い満月を観ることができます。そもそも月を愛でるという文化が根付いたのはどういう由来があるのでしょうか。
嫦娥奔月という神話が由来
昔々、天には突然十個の太陽が出てきました。それで田畑が枯れて、人々は暑すぎて生活するのがとても辛くなりました。そこで力持ちで有名な後羿という男の子が現れました。後羿は老百姓たちのために、神弓を引いて一気に九つの太陽を射落としました。最後の一つの太陽には、「これからはちゃんと昇ってはいける時間に昇り、落ちる時間に落ちて、人々のために役立ってね」と言いました。
後羿は人々の害を取り除いた英雄として、とても尊敬されていました。多くの人たちが後羿の弟子になり、彼から武術を学びました。でも、中には蓬蒙という悪い人もいて、彼もまた後羿の弟子になりました。後羿の妻である嫦娥は美しく心の優しい女性で、貧しい人々に施しをし、村人たちから大変愛されていました。
ある日、後羿の妻である嫦娥は西王母から仙薬をもらいました。その薬は飲むと不老不死になれると言われていました。後羿は嫦娥を大切にして、仙薬を宝匣に隠すように頼みました。でも蓬蒙がそれを知って、後羿の家にある仙薬を奪おうとしました。
八月十五日の朝、後羿は弟子たちを連れて出かけました。しかし蓬蒙は病気を装って家に残りました。夜になると蓬蒙は宝剣を持って後羿の家に入り、嫦娥に仙薬を渡すよう脅しました。嫦娥は考えました、「この人に仙薬を渡すと、ますますたくさんの人が害されるかもしれない。」そこで彼女は機転を利かせて、蓬蒙と戦いました。蓬蒙が仙薬を見つけそうになると、嫦娥は急いで取り出し、一気に飲みほしました。
嫦娥が仙薬を飲むと、突然身体が軽くなり、空中に浮かびました。彼女は窓から外に飛び出し、銀色に輝く田園地帯を越えて高く高く飛びました。その時、青い夜空には丸い月が浮かんでいて、嫦娥はその月に向かって飛んでいきました。
後羿が帰ってくると、妻の嫦娥がいなくなっていました。彼は焦って外に出て、月が明るく輝く夜空を見上げました。桂の木のそばで嫦娥が自分を見つめているのが見えました。「嫦娥、嫦娥」と後羿は声を上げ、月に向かって走りました。でも前に進むと月が後ろに逃げていき、どんなに追っても追いつけませんでした。
村の人々は優しい嫦娥を懐かしく思い、彼女の好きな食べ物を庭に並べて彼女を祝福しました。それから毎年八月十五日は、人々が再会を願う中秋の節となりました。
中秋節の別の呼び方
中秋節は他にも「八月節」、「八月半」、「月夕」、「月節」、「十五夜」とも呼ばれます。台湾では特に「秋節」とも言う方もいらっしゃるそうです。
台湾では中秋節に何をするの?
一般的には…
月を愛でる
一年の内で最も正円に近い満月を見られるので、月を愛でながら家族団欒をします。
月餅を食べる
月餅はお店で買ったものや、手作りの物など様々です。中秋節になると、月餅の人気店の前は長蛇の列になり、この時期の風物詩にもなっています。
スターバックスでも台湾オリジナルの月餅セットとかクッキーセットがこの時期に売り出され、あっという間に売り切れてしまいます。
私も店頭で見かけたので、買いたいといったら、どこも売り切れて在庫がないです、と言われました。
文旦を食べる
月餅と一緒に季節のフルーツである文旦もよくいただきます。日本のお中元のようにお世話になった人に送ったりもします。
BBQをする
1980年代から台湾では、萬家香醬園という広告で「一家烤肉萬家香」という言葉が流行り、中秋節には家庭ごとに外や家の前でバーベキューをする風習が始まりました。家族や友達と集まって、中秋節を祝うために花火も打ち上げられることもあります。
当時のCMと現在のCMの動画を載せておきます。くせになる音楽です。
<1980年代当時>
<現在>
台湾各地域では
台湾南部
南部地域では、中秋節には麻糬を食べたり、火鍋を楽しむ習慣もあります。ちなみに麻糬はお餅のことです。
宜蘭
宜蘭では「菜餅」という、小麦粉で作った生地に黒糖を塗って焼いたお菓子を食べますよ
馬祖
南竿の仁愛村(鐵板村)では中秋節に「燒塔節」という行事があります。レンガで塔を組み、その中に燃えやすいゴミを入れます。塔の上に穴を開けて、その中に火を灯します。火を灯すことができると、良い運気や幸運を呼ぶとされています。
由来になった神話の内容を知ると、なるほど、それは月を愛でようかなという気になります。日本では月餅などのお菓子は中華街などで年中売られているのですが、中秋節の時にいただいてみたいなと思うようになりました。