台湾の忘年会は超豪華な一大イベント
台湾ではもうすぐ旧暦での新年を迎えます。
2025年は1月29日が元旦で、1月28日は大晦日ということになります。大晦日は超級巨星紅白藝能大賞という『紅白』が放送されます。

台湾でも日本と同じように忘年会があります。台湾華語で忘年会を尾牙(ㄨㄟˇ 一ㄚˊ )と言います。尾牙は特に企業や団体が一年の労をねぎらい、来年の繁栄を祈願するために開かれる宴会です。家族が参加できる尾牙もあるようですよ。
尾牙では台湾の歌手やバンドが招かれ、ライブを行うことも多いです。また抽選会などもあって豪華な景品が目玉だったりと、なんとも羨ましい忘年会ですね。
今回は台湾の忘年会『尾牙』を深掘りします。
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それでは早速見ていきましょう。
どうして『尾牙』って言うの?
日本人は尾牙というと、何となく動物の尻尾と牙を想像するのではないでしょうか。

ちなみに私は尾牙と聞いて、『象』を連想しました。
「牙」は古代中国の商人文化や信仰に由来していて、商売繁盛を司る神への感謝と祈願のための儀式から発展しました。「牙」は旧暦で1か月を2つに分けた「上牙」と「下牙」を指し、尾牙はその年最後の「下牙」(12月16日ごろ)に行われます。
「牙」の意味と由来
「牙」という字そのものは動物の「牙(きば)」を指しますが、尾牙での使用はこれとは別の意味を持ちます。
古代中国では、「牙」は集まりや拠点を意味する象徴的な言葉として使われました。特に商人や職人の間では、集会や組合を「牙行」と呼ぶことがあり、仲間の結束や集まりを表す役割を果たしていました。
この「牙」が祭祀や宴会の締めくくり(「牙祭」)の意味に転じ、そこから尾牙という言葉に定着したようです。
台湾の尾牙の特色
- 企業文化の一環
現代では、尾牙は特に企業主催の大規模な宴会として行われ、社員やその家族が招待されます。多くの企業では、豪華な会場で開催されるのが一般的です。 - 抽選会や豪華景品
尾牙の目玉の一つが、盛大な抽選会です。豪華な景品(車、旅行券、家電製品など)が用意され、社員たちはこれを楽しみにしています。特に大企業では、賞品が非常に豪華になることもあるようです。
このニュースでは台北市の土地権利証書が景品だったと報道されています。つまり土地の所有権を手にすることができるわけです。台北市の土地は非常に高額で、特に都会では貴重な資産とされています。そのため、このような賞品が用意した会社の尾牙を羨む声が各地であがってきているようです。
NVIDIAのCEO黃仁勳氏が、台湾の大手企業緯創との合同尾牙に参加し、社員たちに豪華な賞品や賞金を提供したという内容です。彼の参加は「財神爺(富をもたらす神)が来た」と称されました。
- 歌手やバンドの出演
芸能人が尾牙に出演するのも大きな特徴です。企業が人気歌手やバンドを招待してパフォーマンスを行い、場を盛り上げます。一部の大手企業では、トップクラスの有名アーティストが出演するため、ニュースになることも珍しくありません。 - 伝統的な儀式や料理
一部の尾牙では、伝統的な儀式が行われたり、台湾の特色ある料理が提供されることもあります。例えば、豚の頭(猪頭)や鶏料理が縁起物として出されます。
現代と伝統の融合
尾牙は、伝統的な意味合いと現代的なエンターテイメント要素が融合した行事です。特に台湾では、尾牙は台湾で一年の終わりを祝う重要なイベントでもあり、尾牙が単なる宴会ではなく、会社の団結力を高め、社員への感謝を表す重要な場とされています。
こうして見てみると、一年の終わりに一大イベントがあって羨ましいな〜と思ったりします。豪華賞品と言えば旧正月期間にはコンビニで福袋が販売されます。お菓子、商品券やギフト券のほか、豪華賞品として車が当たることもあるようですよ。
台湾へ春節期間中に旅行される方はぜひチェックしてみてくださいね。

