【台湾の紙サイズ事情】A4って世界共通じゃないの?――台湾・日本・アメリカの紙文化を比べてみた
日本人にとって用紙のサイズはA4やA3、B4などと言ったサイズが身近ですね。
アメリカやカナダではLetterサイズと呼ばれるサイズが一般的で、学生時代に使っていたアメリカ製のルーズリーフバインダーは日本のA4サイズの用紙がはみ出てしまい、切り落として何とか収まるように収納していました。
台湾旅行や台湾留学でプリントや書類を手にする機会が増えると、ふと気づくことがあります。「あれ、日本と同じA4サイズ?」。そう、台湾では私たちが普段使っているA4サイズやB5サイズがそのまま使われているんです。実はこれ、世界的に見ると少し珍しいことなんですよ。
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それでは早速見ていきましょう。
紙のサイズあれこれ
そもそも「A判」って何?
「A4」「A3」といったA判用紙は、国際規格であるISO 216に基づいた用紙サイズ。特徴はなんといってもその縦横比が1:√2(約1:1.414)。この比率がすごく便利で、たとえばA4を半分にすればA5、2枚つなげればA3になるという仕組みです。
このA判、実はドイツ発祥。1922年にドイツ規格協会(DIN)が「DIN 476」という規格として定めたのが始まりで、それが1975年に国際規格(ISO 216)として採用され、世界中に広まりました。
A判の合理性
- A0サイズの面積は ちょうど1平方メートル
- 比率は 1 : √2(約1 : 1.414)
- この比率だと 半分に切っても同じ形になる
- 例:A0 → A1 → A2 → A3 → A4 …

印刷・拡大縮小・ファイリングにとても合理的で、実用性が高いのが特徴です。
台湾でもA4が主流!
台湾では役所、学校、ビジネス文書のほとんどがA4サイズで、日本とまったく同じ感覚で使えます。文具店に行けば、A4のコピー用紙やファイルがずらりと並び、学生のノートもA4やB5が主流。つまり、日本からそのまま持って行っても困ることはありません。
台湾はメートル法を採用している国なので、A4やA3といった国際規格の用紙サイズがスムーズに根づいたのです。
世界はみんなA4じゃないの?
ここで登場するのがアメリカやカナダ。実はこの2カ国では、**A判ではなく「Letterサイズ(8.5×11インチ)」**という独自の紙サイズが主流なんです。
「Letter」は幅216mm、高さ279mm。A4(210×297mm)と比べると、少し横に広く、縦に短い。一見似ていますが、ファイルに入れると…A4の方が飛び出てしまう! これは実際にバインダーで痛い目を見る人が多い国際あるあるです。
アメリカ・カナダがA4を採用しない理由
「なんで合わせないの?」と疑問に思いますよね。その理由は大きく5つ:
- 歴史的に先にLetterサイズが定着していた:19世紀には既にタイプライターや紙製品がこのサイズで作られていた。
- インチ文化:アメリカはヤード・ポンド法。メートル系のA判とは基盤が違う。
- 大量の既存インフラ:プリンター、棚、ファイルなどがすべてLetter基準。
- 国内市場の大きさ:アメリカ国内だけで経済が回るので、国際規格に従う必要が薄い。
- 文化的な独自路線:アメリカはしばしば独自規格を採用する傾向にある(例:電圧、紙幣サイズなど)。
カナダは公式にはメートル法ですが、アメリカと経済的に密接な関係にあるため、実務上はアメリカと同じLetterサイズを使っています。
B判もありますよね?
B判の発祥は、日本です。
つまり、A判がドイツ発の国際規格であるのに対し、B判(JIS B判)は日本独自に考案された用紙体系です。
日本工業規格(JIS)として制定された「JIS B判」が、現在使われているB判サイズの起源です。1929年(昭和4年)にJISの前身規格として導入され、戦後の1951年に日本工業規格(JIS)として正式に採用されました。
なぜB判を作ったの?
- A判は「やや小さい」と感じる用途(例:教科書、雑誌、ノートなど)に対して、A判より一回り大きい紙があると便利だという実用的な理由からです。
- A判と同じく 縦横比1:√2 を保ちながら、面積を広くしたサイズを日本で独自に設計しました。
台湾でも使われている理由
ただし、公式規格としてはA判が主流です。
台湾では戦後、日本統治時代の名残や日本製文具文化の影響が強く、JIS B判(特にB5)のノートや教材が今も使われています。
台湾でもB5サイズのノートやB4のプリント用紙は比較的よく使われます。
ただし、主流はやはりA判(特にA4)なので、B判の使用頻度は日本ほど高くありません。
- 小中学生向けノート:B5またはA5
- 印刷業界や製本では:必要に応じてB4やB3も使われる
バインダーやノート選びに注意!
アメリカやカナダでバインダーやルーズリーフを買って帰ってきて、日本のA4書類を入れようとすると……
「えっ!? はみ出す!? 穴も合わない!?」
という悲劇が起きがち。なぜなら、アメリカの3穴バインダーは穴の間隔も独自規格だからです(4.25インチ=約108mm間隔)。日本や台湾で一般的な2穴・4穴とは合いません。
なので、旅行先で文具を買うときはサイズをしっかりチェックするのがポイントです。特にA4サイズの書類を保存したい場合は、「A4対応」「4穴」「ISO準拠」などの表示を確認しましょう。
台湾と日本は文具サイズでも相性抜群!
台湾がA4文化を採用しているおかげで、日本人にとってはとても使いやすい環境が整っています。逆にアメリカやカナダでは、用紙サイズの違いに注意が必要。特に留学・赴任・長期滞在では、書類や印刷物のサイズで困らないよう事前に知っておくと安心です。

台湾の文房具はデザイン性も高いし、日本のサイズ感とも合うのでおすすめです。

