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【台湾の街角文化】窓辺に注目!「鉄格子」が語る台湾の暮らしと美意識

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台湾の町を歩いていて、ふと目に入るのが住宅やアパートの窓を覆う「鉄格子(鐵窗/鐵花窗)」。一見、防犯目的のシンプルな構造物に見えますが、実はそこには台湾らしい美意識と生活の知恵が詰まっているのです。

この記事では、台湾の鉄格子がなぜ多様なデザインを持ち、今も愛され続けているのかを、歴史・機能・美学の3つの視点からご紹介します。

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それでは早速見ていきましょう。

鉄格子はなぜ存在する?──台湾の暮らしと安全意識

台湾では、1階や低層階の住宅はもちろん、高層のマンションでも窓に鉄格子がついているのをよく見かけます。その理由は大きく2つあります。

防犯対策

台湾は比較的治安が良いとはいえ、都市部では空き巣対策として鉄格子が必須アイテム。特に一戸建てや低層の古い集合住宅では、鉄格子が「第二のドア」として重要な役割を果たしています。

子どもの転落防止

住宅密集地でベランダや窓からの転落事故を防ぐため、鉄格子が設置されています。これは日本のマンションの「手すり」と同じ役割ですが、より頑丈で囲いに近い構造です。

デザインで語る「私らしさ」──鉄格子は台湾の“もうひとつのファッション”

鉄格子は単なる防犯設備ではなく、住民の個性を表現するキャンバスでもあります。

モチーフの多様性

  • 花の形(花窗):幸福や繁栄の象徴
  • 鳥・蝶・魚:吉祥や自由を意味
  • 幾何学模様:近代デザインや職人の技術を反映
  • ハート型・漢字(福・壽):縁起を担ぐ装飾

色にもこだわりあり

鉄格子は黒や銀の無機質な色だけでなく、赤・緑・青などカラフルに塗られたものもあります。特に南部(台南・高雄)では鮮やかな色使いがよく見られます。

職人技が光る──一つひとつが手作りの芸術品

台湾の鉄格子は、かつてすべてが手作り。溶接・曲げ・接合といった工程を職人が一つずつ行っていました。中には、注文者の好みに応じてデザインを考えるオーダーメイドもありました。

現在では既製品や簡素なデザインも増えましたが、昔ながらの家屋では今も「鉄花窗」と呼ばれる花模様の格子が人々の目を楽しませています。

鉄格子から見える台湾の変遷──社会と共に変わる景観

1960年代から80年代にかけて、急速な都市化と人口増加により、多くの人々が都市部の集合住宅へと移り住みました。この時期に鉄格子文化が一気に広がり、各家庭がこぞって装飾性のある鉄格子を競うように取り付けるようになりました。

現在では、安全基準やデザイン規制が入り、シンプルな格子が主流になりつつありますが、古い町並みには今も「懐かしくて温かい鉄格子の景観」が残っています。

街歩きの新しい楽しみ方──「鉄格子ハンティング」

鉄格子は、ただ眺めるだけでも楽しい観察対象。特に以下の地域は、バリエーション豊富な鉄格子が集まる「穴場スポット」です。

  • 台南・中西區:老街の装飾格子は芸術的
  • 台北・萬華(艋舺):レトロ住宅街に注目
  • 高雄・鹽埕區:カラフルな格子とリノベ建築が混在

最後に──鉄格子は“生活の芸術”

台湾の鉄格子は、単なる防犯グッズではなく、暮らしの安全・家族への思いやり・美的センスが融合した「生活の芸術」。町の一角にそっと佇むこの格子たちは、台湾人の生活感や価値観を雄弁に物語っています。

あなたも台湾を訪れた際には、ぜひ「鉄格子」に注目してみてください。きっと、台湾のもうひとつの魅力が見えてくるはずです。

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Sue
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管理人
台湾好きな中国語学習者。コロナで渡台できなくなり、その間、独学で中国語を学習開始しました。 台湾雑貨、スイーツ、バンド『八三夭』が好きで、台湾の通販サイトチェックは欠かせません。 初めての渡台は2015年で、台湾初心者の王道、胡椒餅や小籠包を堪能しましたが、その後、グルテン過敏症だということが判明!小麦粉なしの生活に切り替え、台湾料理やスイーツも小麦粉なしのものを探し求めては味わっています。
今、台湾でもグルテンフリーのブームが来そうな気配を感じています。通販サイトでは無麩質の文字もちらほら•••。レシピサイトでも米粉を使った饅頭のレシピも出てきていたり。もっと無麩質のものが増えてくれたらいいな〜と願っています。
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