台湾の兵役制度とは？

台湾に何度も訪れる方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。「兵役」という言葉。台湾の若い男性たちが一時的に軍隊に入る義務があるという話です。

日本では兵役制度は存在せず、自衛隊も志願制です。しかし台湾を含む一部の国では、「徴兵制」が現在も存在します。では、台湾ではどのような制度になっているのでしょうか？ その背景や最近の変化も交えて、わかりやすくご紹介します。

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それでは早速見ていきましょう。

台湾の兵役制度の概要

台湾の兵役制度は、18歳以上の男性に対して義務づけられた制度です。現在は以下のように運用されています：

• 対象者：満18歳以上の台湾籍男性
• 兵役の種類：
  • 義務役（徴兵制／一部志願制へ移行中）
  • 代替役（公務員や社会福祉などの代替サービス）
• 期間：2024年から再び1年間に延長（以前は4か月まで短縮されていた）

現行制度（2024年〜）

兵役期間はなぜ長くなった？

2022年12月27日、蔡英文総統は「強化全民国防兵力構造調整方案」を発表。現行の4か月兵（軍事訓練役）が、2005年以降生まれを対象に2024年1月1日から1年間の義務役へと移行することが正式決定されました。

即応戦力の不足

• 4か月制度では「戦力としての即応性や防衛能力を満たせない」と国防部は指摘があったため。

中国の軍事拡張と地政学的プレッシャー

• 台湾海峡周辺での中国軍の活動が活発化し、アメリカや欧州の軍事動向（ウクライナ侵攻など）が、安全保障に対する危機感が募っているため。

兵力の強化による抑止力向上

• 延長により即応部隊と予備役の連携がスムーズになりました。
• 訓練の質・量・装備面でもアップが見込めることが理由。

なぜ台湾に兵役制度があるの？

台湾は中国との緊張関係を背景に、国防意識が非常に高い国です。事実上独立した国家でありながら、中国政府は「台湾は中国の一部」と主張し続けています。そのため台湾では有事への備えとして、一定の兵力を確保する必要があるのです。

最近は世界情勢の変化やウクライナ情勢などもあり、国民の防衛意識が再び高まりつつあります。それにより、2024年には兵役期間を4ヶ月から1年間に延長する決定が下されました。

台湾男子にとっての「兵役」とは？

台湾で「當兵（兵役に就く）」は、ほとんどの男性が経験する人生の通過儀礼。
日本でいうところの「成人式」や「就職活動」と並ぶような社会的な共通体験でもあります。

兵役中の生活は？

• 携帯電話は夜だけ使用OK
• 朝6時起床、整列・訓練
• 銃の取り扱い訓練、行進、戦術練習など
• 土日は外出や一時帰宅も可能（部隊による）

多くの男性がこの経験を通して、礼儀、忍耐力、集団行動の大切さを学びます。
そして兵役が終わった後には、「兵役済み男子」ということで社会的にも一定の評価を得る場面もあります。

学生向け「夏休み分割兵役制度」とは？

夏休みを利用し、2年にわたって合計4か月の常備兵役訓練が可能で、毎年秋に申請し、選考は抽選＋体格検査になります。大学生活や将来設計を大切にしながら、義務を果たせる柔軟な制度です。

制度概要（学生のための分割訓練）

• 対象：専門学校・大学以上に在学中の18～30代前半の男性（おおよそ83年次～93年次）
• 方法：通常の4か月間の常備兵役訓練を、2年間にわたる各年の夏休みに分けて受ける
  • 今年の夏：新兵訓練＋専門訓練の一部
  • 翌年の夏：残りの専門訓練を完了
• 申請方法：毎年10～11月に内政部役政署のオンラインシステムで申請し、抽選で定員を決定します。

スケジュール例

• 大学1年生の夏：
  • 入営：（6月中旬・7月上旬・7月下旬など）
  • 基本訓練＋兵科専門訓練を約5週間実施
• 大学2人生の夏：
  • 再度入営し、約8週間の専門訓練を完了

その後、「常備役結訓令」が発行され、兵役義務を完了した扱いとなります。

世界ではどう？ 兵役制度を採用している国は？

実は日本のように兵役が「ない」国の方が少数派です。

反対に、日本やドイツ（2009年に徴兵制廃止）、イギリス、アメリカは志願制（職業軍人制）です。

日本人旅行者として知っておきたい豆知識

1. 台湾で「當兵」と聞いたら、それは「兵役に行った」という意味
2. 若い台湾人男性が短髪だったら、「兵役中」か「除役」したばかりの可能性もあります。
3. 軍隊経験を重んじる企業文化もあり、履歴書には「服兵役済」と記入する習慣があります。

衛兵の交代で知られる忠烈祠、國父紀念館、中正記念堂にいる儀仗兵（衛兵）は職業軍人の方々でエリートの軍人さんたちとのことです。一糸乱れぬ交代は観光名所の一つにもなっていますね。

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Sue

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台湾好きな中国語学習者。コロナで渡台できなくなり、その間、独学で中国語を学習開始しました。 台湾雑貨、スイーツ、バンド『八三夭』が好きで、台湾の通販サイトチェックは欠かせません。 初めての渡台は2015年で、台湾初心者の王道、胡椒餅や小籠包を堪能しましたが、その後、グルテン過敏症だということが判明！小麦粉なしの生活に切り替え、台湾料理やスイーツも小麦粉なしのものを探し求めては味わっています。
今、台湾でもグルテンフリーのブームが来そうな気配を感じています。通販サイトでは無麩質の文字もちらほら•••。レシピサイトでも米粉を使った饅頭のレシピも出てきていたり。もっと無麩質のものが増えてくれたらいいな〜と願っています。