五月天・阿信が18年前に見つけた「八三夭」――初出演を後押しした一本の電話と、結成18周年の現在
台湾の人気ロックバンド「八三夭(831)」が、2026年8月31日に結成18周年を迎えました。
八三夭といえば、台湾ではすでに大きな会場を埋める人気バンド。日本でもライブを行っているため、台湾音楽が好きな方なら名前を知っているかもしれません。
そんな八三夭について、結成18周年を記念した台湾メディアの記事で、デビュー当時の興味深いエピソードが紹介されました。
実は八三夭が初めて番組に出演するきっかけを作ったのは、五月天(Mayday)のボーカル・阿信だったというのです。
興味深い単語についても解説しています。
音声は音読さんを使用しています。発音の参考にしてください。
「僕がすごく気に入っているバンドがいる」
八三夭のボーカル・阿璞と団長の小橘がラジオ番組『娛樂e世代』に出演した際、司会の吳建恆が18年前の出来事を振り返りました。
八三夭にとって人生初の番組出演となったのが、なんと吳建恆の番組だったそうです。
しかも、そのきっかけは五月天の阿信からかかってきた一本の電話でした。
我記得八三夭人生第一次通告就是來上我的節目,當時是阿信打給我,要我幫個忙,說有一個他很欣賞的樂團發專輯,看可不可以安排八三夭做專訪,或者如果要他跟著一起去上也可以。
阿信は吳建恆に、
「僕がとても気に入っているバンドがアルバムを出すので、八三夭のインタビューを組んでもらえないかな」
と依頼。
さらに、
「必要なら僕も一緒に出演していいよ」
とまで申し出たといいます。
すでに五月天のボーカルとして活躍していた阿信が、自分自身が出演することまで提案して後輩バンドを紹介しようとしていたことからも、当時の八三夭をかなり高く評価していたことが伝わってきます。
18歳の青春から、結成18周年へ
今回の記念日で面白いのが「18」という数字です。
八三夭は結成18周年。
そのためメンバーたちは8月31日を、八三夭のファン「夭怪(yāoguài)」にとっても「第二個生日(2回目の誕生日)」、そして「第二個18歲(2回目の18歳)」だと表現しました。
番組では、メンバー自身の18歳の頃の思い出も披露されています。
ボーカルの阿璞は、18歳の誕生日にメンバーと西門町の焼肉食べ放題のお店で誕生日を祝ったそう。
ベースの霸天は18歳の誕生日にバイクの免許を取得。
その後はバイクでメンバーの劉逼を迎えに行き、後ろに乗った劉逼が2人分の楽器を背負い、さらに両手にエフェクターを持ってライブへ向かっていたと振り返っています。
現在の大きなステージに立つ八三夭からは想像しにくい、まさに青春時代のエピソードです。
18年後、台北アリーナに立つバンドへ
それから18年。
八三夭はこれまでに6枚のアルバムを発表し、制作した楽曲は100曲を超えています。
2026年には春のツアーに加えて日本・韓国ツアーも開催。
さらに4度目となる台北小巨蛋(台北アリーナ)公演を行い、同会場での公演回数は通算10回、11回に達しました。
18年前、阿信が「僕がすごく気に入っているバンド」として一本の電話で紹介した八三夭。
そのバンドが18年後、台湾を代表する人気ロックバンドの一つとして大きなステージに立っていると考えると、阿信の「見る目」にも驚かされます。
今では団長・小橘が「夭怪の里長伯」に?
今回の記事には、台湾らしくて面白いエピソードがもう一つ紹介されています。
団長の小橘が最近Threadsでファンと積極的に交流し、自ら「24時間営業のオンライン客服(カスタマーサービス)」のようになっているというのです。
ファンのペンライト交換について対応したり、子どもサイズのグッズTシャツを求める声に応えたりと、かなり細かなところまでファンの要望を拾っている様子。
そんな小橘にファンがつけた表現が、

「夭怪里的里長伯」
です。
直訳すれば「夭怪たちの中の里長伯」。
台湾の「里長(lǐzhǎng)」は、行政区画である「里」の代表者です。
しかし日常的なイメージとしては、地域の人たちの相談に乗ったり、困りごとの世話をしたりする、とても身近な地域のまとめ役。
人気バンドの団長なのに、Threadsではファンの困りごとに対応している――そんな距離の近さを、台湾のファンたちが親しみを込めて「里長伯」と呼んでいるわけです。
台湾華語で覚えたい「敲碗」
この記事からもう一つ覚えておきたい台湾華語があります。

敲碗
ピンイン:qiāo wǎn
注音:ㄑㄧㄠ ㄨㄢˇ
敲碗(qiāo wǎn)
文字だけを見ると「お椀を叩く」という意味ですが、台湾のネットでは、
「これをやってほしい!」
「この商品を出して!」
「続編をお願いします!」
など、ファンやユーザーが何かを熱烈にリクエストする時に使われます。
今回の記事では、子どもサイズのグッズTシャツを求めるファンの声に小橘が応えた、という文脈で登場しています。
台湾のSNSやニュースを読んでいると比較的よく目にする表現なので、覚えておくと便利です。
阿信の一本の電話から18年
18年前、まだ広く知られていなかった八三夭を「僕がとても気に入っているバンド」として自ら電話をかけて紹介した五月天の阿信。
そして18年後、八三夭は台北アリーナを何度も舞台にするバンドになりました。
一方で、人気バンドになった現在も、団長の小橘がThreadsでファンの相談に応じ、「夭怪の里長伯」と呼ばれているという距離の近さも八三夭らしいところなのかもしれません。
「8月31日=831=八三夭」。
毎年8月31日が来たら、18年前に阿信がかけた一本の電話のことも思い出したくなるエピソードですね。

