台湾旅行

台湾の新星・スターラックス航空(STARLUX Airlines)

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― 宇宙の名を冠したラグジュアリーエアライン ―

ひょんなことから台湾のフルサービスキャリアを調べている時にスターラックスエアラインの設立秘話を知りました。

現在、スターラックスエアラインは「Snoopy is Shooting for the Stars」と題した宇宙をテーマにしたバージョンを展開中です。2024年にもスヌーピー75周年の記念にコラボをしたスターラックスエアライン。

今回はスターラックスエアラインについて掘り下げます。

このサイトでは台湾華語学習や役立つ台湾華語の日常会話、台湾で今話題のもの、台湾に暮らすように住むとしたらという前提の話題をお届けしています。少しでも台湾旅行や台湾への留学、滞在にお役立ていただけると嬉しいです。

それでは早速見ていきましょう。

台湾のフルサービスキャリア

台湾には3社のフルサービスキャリアがあります。

中華航空 CHINA AIRLINE

チャイナエアラインは、1959年に中華民国空軍の退役軍人によって設立されました。当初は軍事輸送が中心でしたが、1960年代には民間航空輸送を本格的に開始し、1966年には初の国際線(台北-サイゴン、現在のホーチミン)を開設しました。

その後、台湾のフラッグキャリアとして成長し、1970年代にはジェット機を導入して太平洋横断路線を開設しました。しかし、中国との「一つの中国」政策をめぐる政治的緊張から、1991年には日本や欧米路線を維持するため、子会社であるマンダリン航空を設立するなどの複雑な経緯があります。現在はスカイチームのメンバーとして、世界的なネットワークを構築しています。

長榮航空 EVA AIRLINE

エバー航空は、海運会社である長栄海運(Evergreen Marine)の創業者、張榮發氏によって1989年に設立されました。彼は海運業の成功を背景に、航空業界への参入を決意しました。

エバー航空は1991年に運航を開始し、当初から高品質なサービスと安全性を重視する方針を掲げ、スカイトラックスの5つ星航空会社に認定されるなど、高い評価を得ています。現在、スターアライアンスのメンバーです。

小龍
小龍

キティジェットの導入や機材の効率的な運用、高品質なサービスと安全性を打ち出した経営戦略は張國煒氏(張榮發氏の四男)の功績と言われています。ちなみに張國煒氏はパイロットでもありました。

星宇航空 STARLUX AIRLINE

スターラックス航空は、台湾で最も新しいフルサービスキャリアです。エバー航空の創業者である張榮發氏の四男、張國煒氏によって2018年に設立されました。

張國煒はもともとエバー航空の董事長(会長)でしたが、父親の死後、後継者争いでその座を追われることになり、自身で新たな航空会社を立ち上げました。

彼は「台湾のエミレーツ航空」を目指すというビジョンを掲げ、最新鋭の機材と上質なサービスで差別化を図っています。2020年に運航を開始し、短期間でアジアや北米路線を開設するなど、急速に路線を拡大しています。2025年6月にスカイトラックスの5つ星航空会社に認定されています。

また、同時に「World’s Most Improved Airline(世界で最も改善された航空会社)」にも選ばれており、急速な成長とサービス向上が高く評価されています。

誕生のドラマ:不遇のプリンスが描いた新しい空

スターラックス航空は、エバー航空創業者・張榮發氏の四男、張國煒氏が2018年に立ち上げた、台湾で最も新しいフルサービスキャリアです。
張國煒氏はエバー航空の董事長(会長)を務め、ハローキティジェットなど数々のヒット施策でブランド力を高めましたが、創業者の死後、異母兄弟との経営権争いでわずか数日で退任しました。台湾国内では四男の張國煒氏に同情する声が多く、不遇のプリンスとして連日報道されました。

それでも「最高の空の旅を、再び自分の手で創る」という情熱を捨てず、ゼロから新しい航空会社を設立しました。

2020年1月、台北―マカオ線で初就航。最新鋭機材と細部までこだわったサービスで、「台湾のエミレーツ航空」を目指すブランドが誕生しました。

2025年6月にスカイトラックスの5つ星航空会社に認定されています。スターラックス航空が「就航から5年で獲得した事実」は、世界最速クラスの快挙と言われています。

過去には、カタール航空が就航から約10年、エバー航空も就航から20年以上を要して5つ星を獲得しました。スターラックス航空は、これらの航空会社と比べても非常に短期間で最高評価に到達しました。

スカイトラックスの5つ星は、サービス、安全性、機内食、機材、スタッフの対応など、多岐にわたる項目で最高水準を維持している航空会社にのみ与えられます。わずか5年でこの厳しい基準をクリアしたことは、創業者の強いこだわりと、社員が一丸となって高品質なサービスを追求してきたことの証明と言えるでしょう。

ハブは桃園空港、翼は世界へ

スターラックス航空の拠点は台北・桃園国際空港。
日本各地(成田・関空・福岡など)から台北へ直行し、そこから北米(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、オンタリオ)や東南アジア各地へ乗り継ぐことができます。
機材はすべて最新鋭のエアバスA350・A330neo・A321neoで統一されています。中古機は一切使用せず、機内は落ち着いたカラーと最新のエンタメ設備で統一されています。

制服の物語:宇宙と東洋の融合

制服は台湾のファッションデザイナー 林尹培氏 がデザイン。
コンセプトは「新しいクラシックと宇宙の旅」。
夜空のようなミッドナイトネイビーに、ゴールドのラインが星を思わせる洗練された配色となっていて、パイロットは伝統的な制帽ではなく、ロゴ入りキャップを着用しています。

男性CAはネクタイなしの立ち襟シャツでシャープに、女性CAはスカートとパンツを選択可能。iPadや資料が入るスタイリッシュなブリーフケースも支給され、機能美とデザイン性が両立しています。

この制服は2019年に航空業界メディアから「Best New Uniform」を受賞し、就航前から注目を浴びました。

デザイナー 林尹培氏とは

台湾生まれの林尹培氏は、アジアと西洋の美学を融合させた「ネオクラシック」なスタイルで知られるデザイナー。
スターラックスの制服では、東洋の優雅さと未来的な宇宙感を絶妙にブレンドし、ブランドの世界観を形にしました。
彼は「制服は単なる服ではなく、航空会社の顔。着る人の誇りを引き出し、乗客に安心感とときめきを与える存在であるべき」と語っています。

台湾ファンへのおすすめポイント

  • 創業秘話のドラマ性:不遇の退任から華麗な再起へ
  • 最新鋭機材:全機が新品のエアバス機
  • おもてなしのこだわり:制服・機内食・香りまでデザインされた空間
  • 旅行の楽しみ倍増:台北経由で北米や東南アジアへ快適アクセス

SNOOPYとのコラボも

2024年はスヌーピーの75周年という節目であり、スターラックス航空は公式にスヌーピーの「75周年記念航空パートナー」となりました。2024年のコラボジェットが好評だったこともあり、2025年5月28日〜12月31日の期間中は第2弾として「Snoopy is Shooting for the Stars」と題した宇宙をテーマにしたバージョンを展開中です。

コラボの概要

  • 2024年6月〜10月:「PEANUTS-themed flight」
  • 2025年5月28日〜12月31日:「Snoopy is Shooting for the Stars」と題した宇宙をテーマにしたバージョンを展開中です。

実施路線・期間

台湾発のほぼ全ての路線で展開中(ロサンゼルス・オンタリオ発を除く)

空港から機内まで、スヌーピー尽くし

  • 空港施設では、制服姿のスヌーピーたちがチェックインカウンターや案内ディスプレイに登場。名前タグや搭乗券のデザインにも注目です。
  • 搭乗時には、スヌーピーのかわいいカットアウトがお出迎え
  • 搭乗券やネームタグはスヌーピー仕様で、ファンにはたまらない演出ですね。

機内アメニティもスヌーピーづくし!

  • エコノミー/プレミアムエコノミーでは、スヌーピー柄の紙コップ、ナプキン、プレイングカード、アルミホイル包装の食事などが楽しめます。
  • ビジネス・ファーストクラスでは、コースター、バーガー包装紙、ミニフラッグ、スティラースティック、免税バッグなど多彩なグッズが登場。
  • 長距離便のエコノミー向けには、限定アメニティキットが配られ、かわいいスヌーピー柄のトートバッグもお供に。

限定グッズも充実

機内販売やオンライン、7‑ElevenやPEANUTSポップアップ店舗などで、スヌーピー × スターラックスの限定雑貨が手に入ります!

Press Release: STARLUX and PEANUTS bring themed flights to US routes

スヌーピージェットは長く続いて欲しいな~と個人的に思います。

ABOUT ME
Sue
Sue
管理人
台湾好きな中国語学習者。コロナで渡台できなくなり、その間、独学で中国語を学習開始しました。 台湾雑貨、スイーツ、バンド『八三夭』が好きで、台湾の通販サイトチェックは欠かせません。 初めての渡台は2015年で、台湾初心者の王道、胡椒餅や小籠包を堪能しましたが、その後、グルテン過敏症だということが判明!小麦粉なしの生活に切り替え、台湾料理やスイーツも小麦粉なしのものを探し求めては味わっています。
今、台湾でもグルテンフリーのブームが来そうな気配を感じています。通販サイトでは無麩質の文字もちらほら•••。レシピサイトでも米粉を使った饅頭のレシピも出てきていたり。もっと無麩質のものが増えてくれたらいいな〜と願っています。
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