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今回は、台湾政府が公式に認定している 16の原住民族(原住民族群) について、それぞれの 特徴・文化・分布・言語・代表的な祭りや風習 をわかりやすくまとめてご紹介します。
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それでは早速見ていきましょう。
台湾の16原住民族(官方認定)
公式に認められている16民族の人口は、台湾全体の人口の 約2.4〜2.5% と報告されています。
1. 阿美族(Amis/Pangcah)
- 概要:台湾最大規模の先住民族。
- 居住地域:主に東部(花蓮縣・台東縣沿岸)およびその平野部
- 言語:阿美語(Amis language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:母系社会・豊年祭(Harvest Festival)で知られ、歌唱・舞踊文化が非常に豊か。
2. 泰雅族(Atayal/Tayal)
- 概要:顔の刺青/入れ墨という成人儀礼で知られる山地民族。
- 居住地域:新北市・新竹縣・苗栗縣・台中縣など北部・中部の山地。
- 言語:泰雅語(Atayalic languages)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:織物や編み物技術に優れ、独特の紋様を持つ。祖先の掟 gaga(卡加) を重んじる文化がある。
3. 布農族(Bunun)
- 概要:中央山脈の山岳部に多く、狩猟文化・多声合唱文化(八部合音)で著名。
- 居住地域:南投縣・花蓮縣・台東縣など、山岳地帯及び東部。
- 言語:布農語(Bunun language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:狩猟の知恵・豊かな音楽性・自然との共生が強調される。
4. 排灣族(Paiwan)
- 概要:南部(屏東縣など)に住まい、社会階級・氏族制度が比較的明瞭とされる民族。
- 居住地域:屏東縣・台東縣山地および沿岸部。
- 言語:排灣語(Paiwan language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:「百步蛇(図騰蛇)」紋様が有名。玉(琉璃珠)装飾・織物・刺繍文化にも力がある。
5. 魯凱族(Rukai)
- 概要:比較的小規模な民族だが、伝統建築・刺繍・織物技術に豊かな文化を持つ。
- 居住地域:主に高雄市・屏東縣の山地。
- 言語:魯凱語(Rukai language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:石板屋という伝統住居、女性の刺繍技術、百合をモチーフにした装飾など。
6. 鄒族(Tsou/Cou)
- 概要:阿里山付近に居住し、戦祭(Mayasvi)など勇壮な儀礼で知られる民族。
- 居住地域:嘉義縣阿里山地区を中心とした山岳地帯。
- 言語:鄒語(Tsou language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:戦士文化・集落の自治的運営・祭祀・歌舞の伝統が色濃い。
7. 賽夏族(Saisiyat)
- 概要:人口が少なめの民族で、「矮靈祭(Pas-ta’ai)」という独特の祭りが特徴。
- 居住地域:新竹縣・苗栗縣の山間地域。
- 言語:賽夏語(Saisiyat language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:小人(矮人)を祀る儀礼、踊り・歌・集落での役割が継承されている。
8. 雅美族/達悟族(Yami/Tao)
- 概要:別名「タオ族」。島嶼文化・海洋文化を持つ民族で、独木舟「tatara」などが象徴的。
- 居住地域:蘭嶼(Lanyu/Orchid Island)など離島。
- 言語:達悟語(Tao language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:飛魚季/海漁儀礼・舟文化・海との密接な暮らし・離島ならではの生態文化。
9. 邵族(Thao/Ngan)
- 概要:最少規模の民族の一つ。湖畔文化と深く結びついている。
- 居住地域:南投縣・日月潭(Sun Moon Lake)周辺。
- 言語:邵語(Thao language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:湖を神聖視、伝統舞踊・家屋・観光と文化保存との接点が多い。
10. 噶瑪蘭族(Kavalan/Kebalan)
- 概要:比較的少数民族。沿岸・平野部にも居住する。
- 居住地域:宜蘭縣・花蓮縣沿岸地域など。
- 言語:噶瑪蘭語(Kavalan language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:水辺・海岸文化・漁撈・伝統歌唱・儀礼あり。
11. 太魯閣族(Truku/Taroko)
- 概要:かつては「タロコ族」とも呼ばれ、渓谷・峡谷地帯で狩猟・守護文化を持つ。
- 居住地域:花蓮縣太魯閣峡谷およびその周辺。
- 言語:太魯閣語(Truku language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:顔の刺青・織布技術・渓谷地帯ならではの生活スタイル。
12. 撒奇萊雅族(Sakizaya)
- 概要:2007年に再認定された民族(それ以前は阿美族に含まれていた)。
- 居住地域:花蓮縣沿岸部。
- 言語:撒奇萊雅語(Sakizaya language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:土着儀礼・歌唱・アミ族との関係・言語保存運動が活発。
13. 賽德克族(Seediq/Sediq)
- 概要:有名な「霧社事件(1930年)」の民族。自立の歴史・民族意識が高い。
- 居住地域:南投縣、花蓮縣山地地域。
- 言語:賽德克語(Seediq language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:戦士の伝説・刺青文化・家屋構造・祭祀など。
14. 卡那卡那富族(Kanakanavu)
- 概要:2014年に認定。
- 居住地域:高雄市那瑪夏郷など南部山地。
- 言語:卡那卡那富語(Kanakanavu language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:小規模民族ゆえに伝統知識・言語保全が急務。構えとして“自然・森・狩猟”との関係が深い。
15. 拉阿魯哇族(Hla’alua/Saaroa)
- 概要:2014年に正式認定。
- 居住地域:高雄市境内、南部の山地地域。
- 言語:拉阿魯哇語(Hla’alua language)―オーストロネシア語族。
- 文化特徴:農耕儀礼・貝殻・石細工などの工芸・集落規模が比較的小さい分、保存・発信の工夫がなされている。
16.卑南族(Puyuma/Pinuyumayan)
- 呼称:Pinuyumayan。漢字表記は「卑南族」。語源は「団結・和合」を意味するという説があります。
- 分布:主に台東県(台東市・卑南郷)。伝統集落として南王(Nanshi/南王社)、知本、建和、利嘉、太平などが知られます。
- 言語:卑南語(Puyuma language、オーストロネシア語族)。若年層での話者減少が進み、消滅危機と評価されています。
- 社会・文化:
- 一部に母系・妻方居住(マトリロカル)傾向の記述。
- 伝統の戦士訓練/猟祭(Mangayau など)や、ミレット(粟)儀礼など年中行事が伝承。
- 霊媒・巫者にあたるプレンガウ(Pulingaw)が儀礼・治療・共同体の安寧を担う。
- 衣装・意匠:赤・黒・白を基調に幾何学文様やダイヤ模様の刺繍。年齢・性別・位階で装束が変わる伝統があります。
- 現在の課題:都市化・学校教育で漢語化が進み、言語継承と儀礼の継続が大きなテーマ。地域の文化団体やCIPが保存・復興事業を進めています。
共通する課題・背景
- 全16民族は台湾政府により「公式認定」されており、社会制度・文化保護・言語復興などの政策対象となっています。
- それでも、多くの民族では言語や伝統文化が急速に消失・変化しています。若年層の都市移住・漢語化・観光化の影響など。
- 低地平埔族群(平埔族)として歴史的に同化・土地奪取等の影響を受け、未認定の部族もあります。認定の有無が文化保護・自治権に影響を与えています。
台湾原住民族を体感できる場所
- 阿里山鄒族文化園區(嘉義):鄒族の戦祭や織物体験。
- 蘭嶼(Orchid Island):達悟族の船と飛魚文化。
- 花蓮縣光復鄉馬太鞍部落(阿美族):豊年祭や工芸体験。
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台湾好きな中国語学習者。コロナで渡台できなくなり、その間、独学で中国語を学習開始しました。
台湾雑貨、スイーツ、バンド『八三夭』が好きで、台湾の通販サイトチェックは欠かせません。
初めての渡台は2015年で、台湾初心者の王道、胡椒餅や小籠包を堪能しましたが、その後、グルテン過敏症だということが判明!小麦粉なしの生活に切り替え、台湾料理やスイーツも小麦粉なしのものを探し求めては味わっています。
今、台湾でもグルテンフリーのブームが来そうな気配を感じています。通販サイトでは無麩質の文字もちらほら•••。レシピサイトでも米粉を使った饅頭のレシピも出てきていたり。もっと無麩質のものが増えてくれたらいいな〜と願っています。