台湾版ドン・キホーテ?日本人観光客がハマる「小北百貨」と台湾の五金行
台湾旅行で買い物といえば、パイナップルケーキや台湾茶、台湾雑貨、ドラッグストアの商品などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
でも最近、日本人旅行者の間で意外な場所が「台湾で買い物をすると楽しい場所」として注目されています。
それが、台湾の生活用品チェーン「小北百貨(Xiǎoběi Bǎihuò/ㄒㄧㄠˇ ㄅㄟˇ ㄅㄞˇ ㄏㄨㄛˋ)」です。
台湾ではごく身近な生活用品店なのですが、日本人が訪れると、なぜか欲しいものが次々と見つかってしまうようです。
台湾メディアでは、ついに「台版唐吉訶德(台湾版ドン・キホーテ)」とまで紹介されました。
日本人観光客が小北百貨で30点以上を爆買い
2026年8月13日、台湾メディアで、日本人旅行者が小北百貨で大量に買い物をする様子が取り上げられました。
記事のタイトルには、
「台版唐吉訶德!」
つまり、
「台湾版ドン・キホーテ!」
という言葉が使われています。
紹介された日本人旅行者は、小北百貨で日本ではあまり見かけないさまざまな商品を購入。その数はなんと30点以上だったそうです。
購入品として紹介されていたのは、豚の貯金箱、茄芷袋、ボールペン、卓上用のほうきとちりとり、アクリル製の表示プレート、おたまなど。
さらに動画には、台湾の小吃店などで注文票を挟むクリップボード、冷凍保存袋、プラスチックの使い捨て皿、昔ながらのアイス「叭噗」を売る際に使われるゴム製のラッパ、自転車用ホーン、電動車用ミラー、さまざまなビニール袋などまで登場したといいます。
これらをすべて購入したのかどうかは分かりませんが、最終的にスーツケースがいっぱいになっていたことは確かなようです。
「もう一度行きたい」小北百貨にハマってしまった日本人
さらに面白いのが、この日本人旅行者が投稿に添えた表現です。
中国語圏のショート動画で使われる「だんだん依存していく」というミームになぞらえ、最初は友達に連れて行かれただけだったのに、やがてベッドに入っても小北百貨のことを考えてしまい、もう一度行きたくなってしまう――そんな「小北百貨中毒」とでもいうような心境をユーモラスに表現していました。
投稿には、
「台灣旅行。小北百貨。心情寫照。」
「台湾旅行。小北百貨。今の私の気持ち。」
という一言も添えられていました。
一度入ると、あれもこれも欲しくなって、なかなか出られない。台湾好きなら、ちょっと分かるような気がしませんか?
台湾人からすると「なぜそれを買うの?」
この動画に対する台湾人の反応も興味深いものでした。
「これって、日本人から見た、ドンキやダイソーで爆買いする台湾人と同じ感じ?」
「まさか小北百貨が日本人の購買欲を爆発させる場所になるとは」
「台湾版ドン・キホーテ」
「私が一度も買ったことがないものをたくさん買っている!」
といったコメントが寄せられています。
中には、小北百貨で外国人のグループが、お供えに使う鴛鴦トレーや敬茶用の茶杯セットを大量に買っているのを見たことがある、というコメントまでありました。
ここがとても面白いところです。
台湾人にとっては特別な「台湾土産」ではなく、日常生活や行事の中で普通に使われているもの。それが外国人の目には、非常に「台湾らしいもの」として映るのです。
そもそも「小北百貨」とは?
小北百貨は、1994年に創業した台南発祥の生活用品チェーンです。
現在は台湾全土に195店舗を展開しています。
主に扱っているのは、生活用品や「家庭五金」と呼ばれる家庭用金物など。その商品数は1万種類以上とされています。
そして、小北百貨の大きな特徴のひとつが、
24時間・年中無休
という営業スタイルです。
「夜中に蛇口が壊れた」「明日必要な文房具を買い忘れた」など、急に生活用品が必要になったときにも頼りになる、台湾の暮らしを支える存在です。
小北百貨には何が売っている?
小北百貨の商品は、とにかく幅広いのが特徴です。
- 日用品
- 五金・金物類
- 文房具
- キッチン用品
- 米・油・塩などの食品
- 飲料・お菓子
- 電気用品
- カー用品
- 玩具
- ペット用品
など、生活に必要なさまざまなものが並んでいます。
日本の「百貨店」という言葉から三越や高島屋のようなデパートを想像すると、かなり印象が違います。
あえて日本のお店に例えるなら、
ホームセンター+ドン・キホーテ+100円ショップ+昔ながらの金物屋
を組み合わせたようなイメージでしょうか。
もちろん、小北百貨は台湾独自の生活用品チェーンなので、完全に同じ業態のお店が日本にあるわけではありません。
台湾でよく見る「五金行」って何?
小北百貨について知るときに覚えておきたい台湾華語が、
五金行(wǔjīn háng/ㄨˇ ㄐㄧㄣ ㄏㄤˊ)
です。
「五金」は、もともと金・銀・銅・鉄・錫などの金属を指し、そこから広く金属製品を意味する言葉として使われるようになりました。
台湾教育部の辞典では「五金行」を、各種金属用品を販売する店で、「家庭五金」と「機械五金」に分けられると説明しています。
ただし、現在の台湾で見かける五金行には、金属製品や工具だけでなく、掃除用品、キッチン用品、プラスチック製品、生活雑貨などを幅広く扱う店もあります。
そのため、日本語の「金物屋」だけでは、台湾の五金行の雰囲気を十分に表せない場合があります。
お店によって異なりますが、
金物屋+工具店+DIY用品店+生活雑貨店
のような感覚で考えると分かりやすいでしょう。
小北百貨は、この「家庭五金」をはじめ、さらに幅広い生活用品を扱う大型チェーンなのです。
観光土産ではないものが「台湾土産」になる
小北百貨の面白さは、観光客向けの商品ばかりが並んでいるわけではないこと。
むしろ、台湾の人が実際の生活で使っているものを探せるところに魅力があります。
たとえば台湾旅行中、小吃店で何度も見かけた食器。
市場で使われている袋。
台湾らしい色や形のプラスチック用品。
レトロな掃除道具。
食堂で見たクリップボード。
台湾の人には何でもない日用品でも、日本に持って帰ると「あの台湾旅行」を思い出すものになるかもしれません。
有名ブランドの台湾雑貨を買うのとは、また違った楽しさがあります。
台湾人が日本のドンキや100均に行くのと同じ?
台湾人から寄せられた「日本人から見た、ドンキやダイソーで爆買いする台湾人と同じ感じ?」というコメントは、まさにこの現象を表しているように思います。
日本人にとっては何でもないドラッグストアの商品や100円ショップのキッチン用品、スーパーの食品や調味料。
それを台湾から来た旅行者が楽しそうに選んでいる。
私たち日本人が「そんなものまで買うの?」と思うことがあります。
でも立場を逆にすると、日本人も台湾でまったく同じことをしているのですね。
「台湾らしさ」は、必ずしも「台湾土産」と書かれた商品の中だけにあるわけではありません。
次の台湾旅行では小北百貨をのぞいてみよう
台湾茶やパイナップルケーキ、MITブランド、台湾のクリエイターが作った雑貨。
そうした定番のお買い物ももちろん楽しいものです。
でも次の台湾旅行では、少し違った「台湾探し」をしてみるのも面白いかもしれません。
台湾の人たちが普段使っているものの中から、
「これ、台湾らしくて好き!」
と思えるものを探してみる。
小北百貨や街の五金行は、そんな「台湾の日常」を発見できる場所です。
日本人旅行者が30点以上も買って、スーツケースをいっぱいにしてしまったというのも、なんとなく分かる気がします。
次回台湾へ行ったら、小北百貨。
入ったら最後、あなたもなかなか出られなくなるかもしれません。
参考情報
小北百貨公式サイト:https://www.showba.com.tw/
小北百貨 店舗情報:https://www.showba.com.tw/store_page/
台湾教育部 重編國語辭典修訂本:https://dict.revised.moe.edu.tw/

