台湾で夏バテ防止に食べるもの
日本の夏の最高気温は40度近くなることもあり、台湾の暑さと変わらないか、もしかすると台湾の気温よりも高いのでは?と感じています。
真夏の台湾は日中、外を歩いている人はあまり見かけず、地下街をたとえ回り道になったとしても通っている方々がほとんどです。日本は地下街があまり発達していないので、日傘や日除けグローブをしてでも外を歩きます。いくら水を飲んでもすべて汗で出てしまい、熱中症予防のキャンディやタブレットも売られています。
台湾では、夏バテを防ぐためにいくつかの対策が取られています。例えば、適切な水分補給、果物を積極的に摂る、エアコンを適度に使用する、無理な運動を避ける、できるだけ外を出歩かないなどが推奨されています。また、台湾の伝統的な食文化では、暑い時期に体を冷やす食材(例えば、冬瓜や緑豆など)を使った料理が多く取り入れられています。
そんな真夏の台湾では夏バテ防止にどのようなものを食べて乗り切っているのでしょうか。今回は台湾で夏バテ防止のために食べられているものをまとめてみました。
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それでは早速見ていきましょう。
陰性と陽性の食べ物の考え方
中医学(中国伝統医学)において、食べ物は陰性、陽性、または中性に分類されます。これらの分類は、食べ物が体に与える影響を基にしています。
陰性や陽性の食べ物をバランスよく摂取することが、健康維持にとって重要とされています。自分の体質や季節に応じて、これらの食材を取り入れると良いでしょう。
陰性の食べ物:体を冷やす効果があり、夏や暑い環境で消費されることが多いです。例えば、苦瓜、緑豆、西瓜、冬瓜、トマト、茄子など。いわゆる夏野菜と言われるものは陰性のものが多いです。
陽性の食べ物:体を温める効果があり、寒い時期に消費されることが多いです。例えば、生姜、ネギ、にんにく、ラム肉、鶏肉、さつまいも、唐辛子、シナモン、胡桃など。
中性の食べ物:体温に影響を与えないか、バランスを取る食べ物です。例えば、米、ごま、豆腐など。
身体を冷やす食べ物
台湾では、身体を冷やす食材として以下のものがよく利用されます。これらの食材は、体温を下げたり身体の火照りを取る効果があり、暑い夏に特に人気があります。
冬瓜(ㄉㄨㄥ ㄍㄨㄚ)
冬瓜は冷却効果が高く、スープやお茶、炒め物などさまざまな料理に使われます。
緑豆(ㄌㄩˋ ㄉㄡˋ)
緑豆はデトックス効果があり、暑さを和らげるために緑豆湯(ㄌㄩˋ ㄉㄡˋ ㄊㄤ)として食べられることが多いです。
絲瓜(ㄙ ㄍㄨㄚ)
夏に体を冷やす効果があるとして、よく食べられています。
へちま入りの小籠包やへちまと海老のスープなど味に主張がない分、さまざまな料理に刻まれたり、そのままスープに入っていたりします。
西瓜(ㄒ一 ㄍㄨㄚ)
西瓜は水分が豊富で、熱を冷ます効果があります。デザートやジュースに利用されます。
苦瓜(ㄎㄨˇ ㄍㄨㄚ)
ゴーヤのこと。苦瓜は苦味がありますが、冷却効果があり、炒め物やスープに使われます。苦瓜茶もあります。
梨(ㄌ一ˊ )
梨は水分が多く、身体を冷やす効果があるため、生で食べるほか、ジュースやデザートに使われます。
黃瓜(ㄏㄨㄤˊ ㄍㄨㄚ)
キュウリは爽やかな食感と水分が豊富で、サラダや炒め物に使われます。
夏バテ防止におすすめの料理、スイーツ
緑豆湯(ㄌㄩˋ ㄉㄡˋ ㄊㄤ)
材料
- 緑豆:200g
- 砂糖:適量
- 水:1.5リットル
作り方
- 緑豆を洗ってから、水に浸して2〜3時間置く。
- 浸した緑豆を鍋に入れ、水を加えて中火で煮る。
- 沸騰したら火を弱め、緑豆が柔らかくなるまで煮る(約30〜40分)。
- 好みに応じて砂糖を加え、溶かす。
- 冷蔵庫で冷やしてから食べる。
仙草凍(ㄒ一ㄢ ㄘㄠˇ ㄉㄨㄥˋ)
仙草を手に入れられなくても、日本でも缶詰の仙草凍を手に入れることができます。私は手軽に缶詰の仙草凍にメープルシロップをかけたり、生姜シロップをかけたりしていただいています。
材料
- 乾燥仙草:50g
- 水:2リットル
- 片栗粉(またはコーンスターチ):30g
- 砂糖:適量
作り方
- 固まった仙草凍を切り分けて、シロップやフルーツ、練乳などを添えて食べる。
- 乾燥仙草を水で洗い、鍋に入れる。
- 2リットルの水を加え、中火で煮る。仙草が柔らかくなり、煮汁が黒っぽくなるまで約1時間煮る。
- 仙草を取り出し、煮汁をこして不純物を取り除く。
- 片栗粉を少量の水で溶かし、こした煮汁に加える。煮汁を再度火にかけ、よく混ぜながらとろみがつくまで加熱する。
- 砂糖を好みに応じて加え、溶かす。
- 煮汁を型や容器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
冬瓜茶(ㄉㄨㄥ ㄍㄨㄚ ㄔㄚˊ )
ドリンクスタンドだとこんな感じで売られています。
材料
- 冬瓜:500g
- 砂糖:200g
- 水:2リットル
作り方
- 茶こしで冬瓜のかすを取り除き、冷蔵庫で冷やしてから飲む。
- 冬瓜を洗って皮をむき、種を取り除き、細かく切る。
- 鍋に冬瓜と水を入れて中火で煮る。
- 冬瓜が透明になるまで煮る(約30分)。
- 砂糖を加え、よく混ぜる。
苦瓜炒蛋(ㄎㄨˇ ㄍㄨㄚ ㄔㄠˇ ㄉㄢˋ)
ゴーヤと卵の炒め物です。
日本でもゴーヤチャンプルーが知られていますが、それのお肉系が入らない料理です。
材料
- 苦瓜:1本
- 卵:2個
- ニンニク:2片
- 塩:少量
- サラダ油:適量
作り方
- 苦瓜を洗って薄切りにし、塩水に10分ほど浸して苦味を抜く。
- ニンニクをみじん切りにする。
- フライパンにサラダ油を熱し、ニンニクを炒める。
- 苦瓜を加え、さっと炒める。
- 溶き卵を加え、全体に絡めるように炒める。
- 塩で味を調える。
絲瓜蛤蜊湯(ㄙ ㄍㄨㄚ ㄍㄜˊ ㄌ一ˊ ㄊㄤ)
へちまとあさりのスープです。このスープはあっさりとしていて、へちまの甘みとあさりの旨味が調和した一品です。夏場にぴったりの、体を冷やしてくれる料理です。
材料
- 絲瓜(へちま): 1本
- 蛤蜊(あさり): 200g
- 生姜: 1片
- ニンニク: 2片
- 塩: 適量
- 水: 600ml
- ごま油: 少量(お好みで)
作り方
- 下ごしらえ:
- 絲瓜の皮をむき、一口大に切ります。
- 蛤蜊は塩水に浸して砂抜きをします。
- 生姜とニンニクを薄切りにします。
- 調理:
- 鍋に水を入れ、生姜とニンニクを加えて火にかけます。
- 沸騰したら、砂抜きした蛤蜊を加えます。
- 蛤蜊が開いたら、絲瓜を加えます。
- 絲瓜が柔らかくなるまで煮ます(約5分程度)。
- 塩で味を調えます。
- 仕上げ:
- お好みでごま油を少量加えて風味を出します。
- 器に盛り付けて出来上がりです。
蓮藕湯(ㄌ一ㄢˊ ㄡˇ ㄊㄤ)
熱いままでも冷やしても美味しく食べられます。
材料
- れんこん:200g
- 豚肉:200g
- 枸杞:少量
- 生姜:2枚
- 塩:少量
- 水:1.5リットル
作り方
- 蓮藕を洗って皮をむき、薄切りにする。
- 豚肉を適当な大きさに切る。
- 鍋に水を入れ、豚肉と生姜を加え、中火で煮る。
- 沸騰したら蓮藕と枸杞を加え、弱火で煮る(約1時間)。
- 塩で味を調え、蓮藕が柔らかくなるまで煮る。
台湾では暑い時期には体の火照りを取るような身体を冷やす食べ物を取り入れて。夏バテしないように過ごします。そのため、冷たい飲み物を飲む時には去冰(氷なし)にしたりとバランスを取る方も多いと聞きます。
うまく食事のとり方も身につけて夏バテしないようにあと少し乗り切りましょう。