台湾での風水事情
台湾では、風水が人々の生活に深く根付いており、日常のさまざまな場面で取り入れられています。
例えば玄関の向き、家具の配置、キッチンと浴室の位置関係などに始まり、開業日や引っ越しの日、引っ越しする家の方角なども風水によって決めます。
日本でも風水を生活に取り入れている人は少なくはない印象ですが、できれば縁起がいい、運気が上がる状態にしておきたいと多くの人が考えていると思います。
今回は台湾人がどのように風水を生活に活用しているのかを詳しく説明します。
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それでは早速見ていきましょう。
どんな時に風水で決めるの?
家やオフィスの設計・レイアウトにおける風水
台湾では家やオフィスを建てる時に、風水の専門家を呼んでアドバイスを受けることが一般的です。特に重要視されるのは以下のポイントです。
家の向きと入口の配置
風水では「気」の流れが重要です。そのため、家の入口が道路や電柱と直接向かい合わないよう配置することや、玄関を広く明るく保つことが推奨されています。
室内の家具配置
ベッドの位置やデスクの向きも風水の観点から決められます。例えば、ベッドはドアに直接向けない「門沖」(門にぶつかる配置)を避ける、デスクは背後を壁にして「安定感」を確保するなどのルールがあります。
水と火の調和
台所や浴室の位置も重要です。火を象徴する台所(コンロ)と水を象徴する浴室や水道が近すぎないようにすることで、エネルギーの調和を図ります。
特定のイベントや開業時の風水
台湾では、結婚式、引っ越し、開業、さらには出産の日取りに至るまで、吉日を風水で選ぶ文化があります。
良い日取り(擇日)
台湾では、暦に基づいて「黄道吉日」を選びます。特に引っ越しや結婚式は風水で選ばれた吉日に行うことで、運気が向上すると信じられています。日本でも大安吉日とか一粒満倍日などという言葉もありますね。
新しい事業の開始
会社や店舗の開業時には、風水のルールに従って入り口やカウンターの配置を決めるほか、供物を捧げたり、神仏に祈願する儀式を行ったりします。赤い装飾や爆竹を使って邪気を払い、幸運を呼び込むのも一般的です。
お守りや装飾品に風水を活用
台湾の人々は風水アイテムを日常生活に取り入れることで、運気の向上やトラブル回避をします。
風水グッズ
招財猫(お金を呼び込む猫)や八卦鏡(悪い気を跳ね返す鏡)、琉璃(装飾ガラス製品)など、運気を高めるアイテムを家やオフィスに飾ります。
風水グッズは次のようなものがよく使われます。

- 八卦鏡(ㄅㄚ ㄍㄨㄚˋ ㄐㄧㄥˋ):邪気を跳ね返し、家や建物を守る風水アイテム。

- 龍龜(ㄌㄨㄥˊ ㄍㄨㄟ):龍と亀の組み合わせで、長寿や財運を象徴する縁起物。

- 水晶球(ㄕㄨㄟˇ ㄐㄧㄥ ㄑㄧㄡˊ):エネルギーを調整し、集中力や浄化を促すアイテム。

- 搖錢樹(ㄧㄠˊ ㄑㄧㄢˊ ㄕㄨˋ):金運を象徴する「金のなる木」。装飾品や観葉植物としても人気。

植物を配置する
鉢植えの植物、特に「金のなる木」や竹は繁栄を象徴するものとして人気です。また、植物は良い「気」を吸収すると考えられています。台北玉市でも隣接して花市もあるのはそのためかもしれないですね。切り花よりは鉢植えの木が豊富に揃っています。実のなる木が人気のようで、レモンなどの柑橘系の木をたくさん見かけます。
お守り
台湾の寺廟で祈祷を受けたお守りを持ち歩く人も多いです。特に仕事運や健康運、恋愛運を祈願するお守りが人気です。
日常生活における風水の習慣
数字と色
台湾では「8(発音が“発財”=お金が増えると似ている)」が好まれる一方で、「4(“死”に似た発音)」は避けられます。また、赤は幸運を象徴し、黒や白は喪に関連付けられるため特定の状況では避けられます。
旧正月や節目の行事
台湾では旧正月や中秋節などの行事で、風水的に良いとされる食べ物や装飾が用いられます。たとえば、橙(ミカン)は「運」を呼び込む果物として人気です。
台湾特有の風水信仰
台湾の風水文化は、中国本土の影響を受けつつも、地元の信仰や習慣が加わり、独自の形を持っています。
寺廟での祈願
台湾では寺廟での参拝が日常的です。参拝者は、健康運や財運、学業成就などを祈願し、神々から「おみくじ」や「開運の指針」を受け取ります。
土地公(とちこう)の信仰
商売繁盛や土地の守護を願う際、土地の神様である「土地公」に供物を捧げて祈る習慣が一般的です。
風水の専門家とは?資格は必要?
風水の専門家は、正式な資格を持つ人もいれば、長年の経験や師匠からの指導を受けた実務家もいます。具体的な資格については国や地域によって異なりますが、台湾では必ずしも公式な資格が必要とは限りません。
風水師を見つける方法
台湾では、次のような場所で風水の専門家に相談することが一般的です。
- 寺廟や道観(道教の施設):特に道教では風水と深く関わりがあります。寺廟の僧侶や道士(道教の聖職者)に相談するケースもあります。
- 風水相談所や専門店:台湾の都市部には風水専門店があり、そこでプロの風水師に相談できます。
- 紹介や口コミ:信頼できる風水師は口コミで広まることが多く、知人や家族からの紹介で相談するケースもよくあります。
経験と実績を確認
風水師の経歴や過去の実績を調べましょう。
多くの風水師は「住宅設計」「オフィス設計」「吉日選び」など得意分野を持っています。自分の目的に合った分野の専門家を選ぶと良いです。
料金体系を確認
料金が事前に明示されているか確認しましょう。
不明瞭な料金設定や、後から高額な追加料金を請求してくるようなケースには注意が必要です。明朗会計が一番ですね。
オーバープロミスに注意
「これで全ての問題が解決する」といった過度な保証をする風水師には警戒しましょう。信頼できる風水師は現実的なアドバイスを提供し、過剰な期待を煽ることはありません。
口コミやレビューを確認
他の顧客の意見を参考にするのも大切です。特にオンラインのレビューや紹介情報は信頼性の判断に役立ちます。
玉市と風水アイテムの購入方法
風水師もそうですが、購入場所にも気を付けたいところです。台湾で風水アイテムや天然石を購入する際、「信頼できる店舗」を見分けるポイントをご紹介します。
店舗の歴史や評判を確認する
創業年数
長年営業している店舗は、地元の人々や観光客からの信頼を得ている可能性が高いです。創業年数が長ければ、それだけ評判が良い可能性があります。
口コミやレビュー
地元の人や観光客が書いた口コミを確認するのも効果的です。Googleマップや台湾の観光アプリなどでレビューを見ることができます。また、玉市やショッピングエリアで評判の良い店舗は、案内所や地元の人に尋ねると教えてもらえることもあります。
店員やオーナーの知識と対応
言葉が通じなくても筆談や翻訳アプリで説明をしてくれます。躊躇せずに聞きたいことを聞いてみて実際に判断してみることをお勧めします。
知識が豊富なスタッフ
信頼できる店舗のスタッフは、商品に関する知識が豊富です。たとえば、アメジストの産地や効果、品質の見分け方について詳しく説明してくれる場合、信頼度が高いです。
風水の知識もきちんと持ち合わせている場合が多いので、話をしているうちに知識が豊富かどうかが判断できます。
親切で押し売りしない対応
購入を強く勧めたり、安い価格で売りつけようとする店舗には注意が必要です。信頼できる店は、購入者のニーズや質問に丁寧に答え、無理に買わせようとしません。
これはどこの国でも同じかなと思います。そのような話の流れになった時には、その場からすぐに離れるといいかもしれません。
商品の品質保証や証明書の有無
- 品質証明書の提示
天然石や高価な風水アイテムには、品質を証明するための証明書や鑑定書が付いていることがあります。たとえば、アメジストであれば、産地や純度について記載された書類を確認できる場合、信頼性が高いといえます。 - 返品ポリシー
信頼できる店舗は、返品や交換に柔軟な対応をしてくれる場合が多いです。購入前に返品ポリシーを確認することをおすすめします。
店舗の外観や環境
風水グッズや開運グッズ、天然石を扱うお店は気の流れにとても気を配っています。整理整頓されていて、気の流れがきれい、澄んでいる、埃がかぶっていない店舗はやはり信頼できると思います。
- 清潔で整然とした店舗
店舗が清潔で整理整頓されていることも重要です。雑然としていたり、商品の扱いが雑な店舗は注意が必要です。 - 専用の展示エリアや説明スペースがある
信頼できる店では、商品の展示が見やすく、各アイテムの効果や使用方法についての説明が書かれている場合が多いです。
信頼できる玉市やエリアを選ぶ
台北:建國玉市(建國花市)
台北市にある「建國玉市」は台湾最大級の玉市として有名です。週末のみ開催されるこの市場は、地元の人々にも観光客にも人気があり、信頼できる店舗が多く集まっています。
中には実店舗も構えているけれど、こちらにも出店しています、というお店もあります。信頼できそうだなと思ったら、名刺などをもらうと実店舗に行くこともできるのでいいかもしれません。
商品を見分ける基本的なコツ
価格が極端に安い商品に注意する
アメジストや翡翠は天然石なので、適正価格があります。極端に安い商品は人工石や品質の低いものの可能性があるため注意が必要です。
翡翠の場合にはライトを当てて見てみるという方法もあります。
商品の質感と重さ
本物の天然石は手に持ったときの重量感があり、表面の質感も滑らかです。一方、偽物や加工品は軽すぎたり、不自然な光沢がある場合があります。
光を通して確認

アメジストの場合、光に透かすと自然な色の濃淡が見えるのが特徴です。色が均一すぎるものは人工的に染色された可能性があります。
こちらは小さめのサイズですが、会社や玄関先にアメジストのタワーを対で置かれている光景も良く見かけます。大きくなるほど、また質が高くなればなるほど当然ながらお値段も高額になります。
地元の人や風水師に相談する
もし信頼できる店舗がわからない場合は、地元の友人や知人、あるいは風水師に相談するのも良い方法です。風水師はよく利用する店舗を紹介してくれることがあります。
台湾に行ったら風水グッズを探してみるのも楽しそうですね。見た目でここに立ち寄ってみようかなと思えるところに入ってみるのもいいかもしれません。

