台湾では花粉症がない?
台湾では花粉症で悩んでいるという人の話をほとんど聞いたことがありません。実際、日本に来ると花粉症に悩まされるけれど、台湾に帰国したら症状が消えたという話はよく聞きます。
日本でも北海道と沖縄は花粉症の症状で悩む人はいないと言われています。スギやヒノキがその土地に生息しないからという理由ですが、台湾でもおそらく一年を通じて温暖な国なので、スギやヒノキが生息しないからということも考えられるでしょう。
今回は台湾のサイトで花粉症がどのように説明されているかを詳しく見ていきたいと思います。中医学でアレルギー症状を緩和するために取り入れられている食べ物や飲み物についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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それでは早速見ていきましょう。
台湾のアレルギー事情
台湾では何らかのアレルギーを持っている人は意外と多い
衛生福利部が2017年に実施した調査によると、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、結膜炎、食物・薬剤アレルギー、昆虫アレルギーなど、アレルギー疾患で毎年約341万人が医療機関を受診しているようです。ただ台湾人が花粉症に悩まされているという話は比較的珍しいとも言われています。
台湾特有の花粉症やアレルギー症状はあるのか
台湾の花粉症は、スギ花粉症のように全国的に大流行することは少ないものの、慢性的に影響を受ける人がいるのが特徴です。特に カモガヤの花粉症は日本と同じくらい重症化しやすい ため、長期間苦しむ人もいます。
杉(ㄙㄢ ㄕㄨˋ)

- 症状の重さ:軽度~中程度(日本ほど深刻なケースは少ない)
- 主な症状:鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、喉の違和感
- 特徴:
- 日本ほどスギの植林が多くないため、大量飛散によるスギ花粉症の大流行はない
- 一部の山岳地帯(阿里山など)ではスギ花粉によるアレルギーを持つ人がいます
ガジュマル(榕樹,ㄖㄨㄥˊ ㄕㄨˋ)

- 症状の重さ:喘息や皮膚症状を引き起こすこともある
- 主な症状:鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、喘息、皮膚のかゆみ
- 特徴:
- 台湾では公園や街路樹として多く植えられている
- 花粉よりも「樹液」によるアレルギーの影響が大きい(皮膚のかゆみ、湿疹を引き起こすことがある)
- 喘息の原因になることもある
カモガヤ(狗尾草,ㄍㄡˇ ㄨㄟˇ ㄘㄠˇ)

特に5月~10月に症状が悪化しやすい
- 症状の重さ:日本のイネ科花粉症と同じくらい(人によってはかなり重い)
- 主な症状:鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、喉の違和感
- 特徴:台湾では一年中飛散しているため、慢性的に花粉症を発症する人がいる
花粉症は日本の国民病?
花粉症は日本では国民病の一つに挙げられており、欧米諸国でも花粉症の症例は一般的です。これらの国の空気は比較的乾燥しており、花粉が容易に飛散して空気中に留まるためです。空気とともに鼻腔に吸い込まれ、アレルギーや炎症を引き起こします。
台湾では空気の湿度が高いため、空気中の花粉は多くの水蒸気を運び、重力によってすぐに地面に落ちて空気中に留まることができないため、花粉症は台湾では一般的ではありません。
花粉症や植物アレルギーを緩和する中医学的な食養生
白い食材で「肺」を潤す(抗アレルギー)
肺を潤し、炎症を抑える効果があるとされる食材
- シロキクラゲ(白木耳):肌や粘膜を潤し、免疫を整える

- 梨(雪梨):喉の乾燥を防ぎ、炎症を抑える
- 杏仁(南杏仁):肺を強化し、咳やアレルギー症状を軽減
- 蓮の実(蓮子):肺と脾を補い、体のバランスを整える
おすすめの飲み物:白木耳銀耳湯(シロキクラゲスープ)
- シロキクラゲ、蓮の実、ナツメ、氷砂糖を煮込んで作る
- 花粉症による喉の乾燥や炎症を和らげる
おすすめの飲み物:杏仁茶

材料(2~3杯分)
- 南杏仁(甜杏仁):50g

- 水:500ml
- 砂糖:大さじ2(お好みで調整)
- 片栗粉(またはタピオカ粉):大さじ1(とろみをつける場合)
- バニラエッセンス(お好みで):少々
作り方
①杏仁を浸水させる(最低4時間~一晩)
- 南杏仁をたっぷりの水に浸し、一晩置く。(4時間以上が理想)
- 柔らかくなることで、なめらかな仕上がりに。
②ミキサーで杏仁を攪拌する
- 水500mlと杏仁をミキサーに入れ、**1~2分攪拌(かくはん)**する。
- 完全になめらかになったら、細かい布やこし器で濾す(こす)。(ザラつきをなくす)
③鍋で加熱する
- 濾した杏仁液を鍋に移し、中火で温める。
- 砂糖を加え、お好みの甘さに調整。
④とろみをつける(お好みで)
- 片栗粉大さじ1を水大さじ2(分量外)で溶き、鍋に少しずつ加える。
- かき混ぜながら弱火で加熱し、とろみがつくまで煮る。
「脾」を強化し、免疫バランスを整える
胃腸を整え、アレルギー体質を改善するとされる食材
- 山芋(山薬):胃腸を強化し、免疫調整
- かぼちゃ(南瓜):消化を助け、アレルギー予防
- ハトムギ(薏苡仁):体内の余分な湿気を排出し、免疫バランスを整える
- ナツメ(大棗):気を補い、免疫力を向上

おすすめの飲み物:山薬紅棗茶(ヤマイモ&ナツメ茶)
- 乾燥ナツメと山薬を煮込んでお茶にする
- 体質を改善し、アレルギーを緩和
「湿」を取り除き、炎症を抑える
花粉症による鼻づまりやむくみを改善する食材
- 緑豆(綠豆):体の余分な熱を取り除き、炎症を抑える
- ハスの葉(荷葉):体の水分バランスを調整
- ミント(薄荷):鼻の通りをよくし、アレルギー症状を和らげる
- 生姜(薑):血流を促し、冷えによるアレルギー症状を予防
おすすめの飲み物:緑豆湯(緑豆スープ)

- 緑豆を煮込み、少し冷やして飲む
- 体の熱を下げ、アレルギー症状を和らげる
日常生活の中で上手に中医学の食材を取り入れてバランスを取れるといいですね。ちなみに私は杏仁を数粒食べることによって、何となく花粉症のひどい症状を抑えられているように思います。個人差がありますので、ご自分の体調に合わせて取り入れてみてください。

