台湾で歯列矯正をするときの注意点
台湾で歯列矯正を行う場合、日本とは制度や治療の進め方に違いがあります。
こちらの記事をご覧になっていらっしゃる方は、日本で歯列矯正をしていて台湾に長期滞在するために台湾で継続して歯列矯正をしたい、矯正開始適齢期を日本で迎えられず台湾での長期滞在中に歯列矯正をしたい、というケースが多いと思います。
今回は台湾で歯列矯正を継続する、もしくは開始するという方のために台湾での歯列矯正事情も含めてまとめました。
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それでは早速見ていきましょう。
日本で矯正治療中 → 台湾で継続する場合
日本で歯列矯正中の方は、かかりつけの矯正歯科医の先生に紹介状と治療記録(英語か繁体字中国語)を書いてもらうことをお勧めします。
もしもかかりつけ歯科医が海外の患者さんも診る方でしたら、その辺りの事情にも精通されているので話はスムーズだと思います。
矯正歯科学会は各国にあり、日本以外にも海外の矯正歯科学会に所属されている先生も多いです。そうなると例えばアメリカであればどの地域に住むかによって、その地域で開業している先生を探しやすいというメリットもあります。
もしも日本語対応のみの歯科医院だとしても、事情を説明して紹介状と診療記録を英語もしくは繁体字中国語でもらいましょう。
まずやるべきこと
日本の矯正歯科から治療記録をもらう(以下のような内容)
- 治療計画(何年かける予定か、どこをどう動かしているか)
- 使用している装置(ワイヤー、マウスピースの種類など)
- 直近のレントゲン写真(セファロ・パントモ)や口腔内写真
- 歯列模型または3Dデータ
台湾では治療の途中から引き継ぐことが可能ですが、資料がないと一からの診断が必要になり、追加費用が発生することがあります。
台湾での対応クリニック探し
住む地域が決まっていたら、そこから通いやすい歯科医院を選ぶのが一番です。これに関してもできれば日本の先生からコンタクトを取ってもらい、どうでしょうかという話があってからの方がスムーズです。
しかし、自分で探さなければいけない時もあるかと思いますので、検索する上でキーワードになる単語をピックアップしました。
英語または日本語が通じるクリニックも一部あります。台湾の歯科医の先生は日本の大学を出られた方も多くいらっしゃいます。そのため日本語での対応ができるというわけですね。
初診の流れ
- 予約してカウンセリング
- レントゲン・写真・歯型採取など再評価(必要に応じて)
- 治療計画の見直しと費用提示
- 引き継ぎスタート
料金は部分的に再計算されることが多く、総額は日本での残額よりも少し高くなる可能性もあります(設備や治療法に差があるため)。
台湾で初めて歯列矯正を始める場合
歯列矯正を始める時期
開始年齢(適齢期)
永久歯が生えそろった10〜12歳頃が一般的ですが、早期治療(6〜9歳)も一部では推奨されています。乳歯の段階から歯列矯正を始めるのは、きれいに永久歯が生え揃うように顎の成長を促進する目的のためです。ただしすべての人に当てはまるわけではありません。矯正歯科医にしっかりと診断してもらい、治療計画を立てていただきましょう。
大人にも歯列矯正は人気がある
台湾では成人矯正も盛んで、20〜30代の女性を中心に人気があります。
矯正方法の種類(台湾でも選べる)
| 方法 | 説明 | 費用目安(NT$) |
| 金属ブラケット(傳統矯正) | 最も一般的。 | 約6萬〜10萬元 |
| セラミックブラケット(透明) | 審美性が高い | 約10萬〜13萬元 |
| 舌側矯正(リンガル) | 裏側につける目立たない方法 | 約15萬〜20萬元 |
| マウスピース矯正 | 透明の取り外し型。 | 約10萬〜20萬元以上 |
※1台湾ドル=約4.7円。(2025年4月)
治療の流れ(初回から完了まで)
- カウンセリング・診断
- レントゲン撮影(全景X光)
- 歯列の印象を採る(數位掃描 or 模型)
- 咬み合わせのチェック(咬合分析)
- 矯正計画の説明・契約
- 装置装着
- 1〜2か月ごとの調整通院
- 1〜3年で完了 → 保定装置(リテーナー)装着へ
台湾での矯正治療に関する補足ポイント
健保(国民健康保険)は効かない
矯正治療は自由診療扱いなので、全額自費となります。
ただし虫歯治療や抜歯など必要な治療には健保が使えます。
カード分割払い・現金割引なども対応あり
分割払い(分期付款)を取り扱う歯科医院も多く、無理なく通えます。
歯科医院によっては「現金付款享折扣(現金支払で割引)」などのプロモーションもあるようです。
探す際のキーワード(台湾華語)
| 目的 | キーワード |
| 矯正歯科 | 牙齒矯正、矯正專科、齒顎矯正 |
| 矯正継続 | 繼續矯正、續矯正、矯正中轉診 |
| マウスピース矯正 | 隱形牙套、隱適美(Invisalign) |
| 日本語対応 | 日語牙醫、日本語矯正診所 |
台北市内の日本語対応矯正歯科クリニック
台北市立聯合医院(Taipei City Hospital)
- 特徴: 公立の総合病院で、歯科部門には矯正専門医が在籍しています。
- 日本語対応: 一部のスタッフが日本語を話せる場合がありますが、事前に確認が必要です。
- 備考: 公立病院のため、費用は比較的抑えられます。
台北医学大学附属医院(Taipei Medical University Hospital)
- 特徴: 大学附属の病院で、最新の医療設備が整っています。
- 日本語対応: 国際患者センターがあり、日本語対応が可能な場合があります。
- 備考: 高度な治療を希望される方に適しています。
台北市内の民間矯正歯科クリニック
- 特徴: 多くの民間クリニックが矯正治療を提供しており、最新の技術や設備を導入しています。
- 日本語対応: 日本語対応可能なクリニックも存在しますが、事前に確認が必要です。
- 備考: 費用や治療方針はクリニックによって異なるため、複数のクリニックで相談されることをおすすめします。
台湾のYahoo!検索サイトで日語矯正診所などのキーワードを入力すると、日本語対応可能な矯正歯科のリストが出てきますので、参考になさってください。
台湾の大学で歯科医の免許を取得してから、日本の大学院等で学ばれて帰国され開業している方が多いようです。日本語の他にも英語にも対応できるとあって頼もしいですね。

