台湾の昼寝文化から学ぶ、生活リズムと集中力アップ術
午休(ㄨˇ ㄒㄧㄡ )という賢い習慣
台湾に行くと、昼の12時を過ぎたころ、オフィスが静まり返ったり、教室の照明がふっと暗くなったりする光景に出会うかもしれません。
それは「お昼寝タイム」――台湾文化に根付く「午休」のはじまりです。
今回は日本では多くの保育園ではお昼寝タイムがありますが、学校に通うようになるとお昼寝の時間はなくなります。お弁当や給食を食べると、午後の授業の時には血糖値が上がって下がるので急激に眠くなります。学生時代は私も午後一番の授業は爆睡でした。
台湾では学習効率や作業効率を高めるためにお昼寝タイムがあるということで、羨ましいなと思いつつ調べてみることにしました。
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それでは早速見ていきましょう。
「午休」って何?
「午休(ㄨˇ ㄒㄧㄡ )」とは、文字通り「正午の休息」、つまり昼食後にとる仮眠やリラックスタイムのこと。中国語では「午覺(ㄨˇ ㄐㄧㄠˋ)」=昼寝、という言い方もあります。
日本人に限らず台湾に留学中の学生も最初は戸惑ったと言います。
午休文化がもたらすメリットとは?
- 午後の集中力・学習効率アップ
- 情緒の安定・ストレス軽減
- 記憶力や反応速度の向上
- 「眠い→だらける」の防止による生産性アップ
学校での午休文化
台湾の小中学校では、「午休」が時間割に組み込まれているのが一般的です。
時間の流れ(例)
- 12:00〜12:30 昼食(教室で食べる)
- 12:30〜13:30 午休(昼寝タイム)
どうやって寝るの?
- 自分の机に突っ伏して寝る
- 枕やタオルを持参する子も
- 先生も一緒に静かに休むこともあるようです
学生の場合、机に突っ伏して寝ることがほとんどなので、長く寝ると血流が悪くなって手足がしびれたりするだけでなく、脊椎に関する問題も起こりやすいとのことで、改善するにはどうしたらいいか?というまとめた動画を見つけました。
この動画ではリクライニングできる椅子やうつぶせではなく仰向けで寝られるスペースを推奨していますが、そのスペースがない場合にはネックピローを利用して首を支えるようにすれば、無理な姿勢を軽減できると言っていました。
限られたスペースでの昼寝は工夫も必要ですね。
なぜ学校が取り入れているの?
- 成長期の子どもはエネルギー消費が激しい
- 昼食後の血糖値の変動で集中力が低下しやすいため
- 午後の授業に備え、心身のリセットを図るため
実際、教育部や国民健康署が推進する「健康校園」計画でも、昼休みの仮眠やリラクゼーション時間の確保は推奨事項とされています。
職場での午休文化
台湾では多くの職場(特に公務員、銀行、地元企業)でも昼休みに「午休」が認められています。
その実態は…
- 昼食後、13時までは電気が消えて誰もが静かに休む
- 社員が自席で寝ている光景はごく普通!
- 社長室にソファーベッドがある企業も
効果は?
- 午後のパフォーマンス向上
- ストレス軽減、脳の整理整頓
- 短時間睡眠でも集中力・記憶力UP(国際研究あり)
調査によると…聯合報の記事によれば、台湾のある企業では、

「午休を取り入れてから午後のクレーム対応件数が減った」という報告もあります。
また、台中市の企業インタビューでは、「午後の会議中の居眠りが激減した」という声も紹介されていました。
家庭でも「昼寝文化」
特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では「午覺(お昼寝)」は日常の一部です。日本でもこの辺りは同じですね。
- おじいちゃんおばあちゃんが昼ごはんのあとに寝るのは定番。
- 幼児期の昼寝は「成長と情緒安定」に欠かせないとして、家庭内でも大切にされています。
日本との比較で見えてくること
| 日本 | 台湾 |
|---|---|
| 昼寝=居眠りと見なされがち | 昼寝=健康と集中力維持の文化 |
| 昼休みに仮眠を取る人は少数 | 昼食後にほぼ全員が「午休」する |
| 昼寝OKな会社は稀 | 昼寝用の時間と場所を会社が確保する場合も |
台湾の昼寝文化は、効率と優しさのバランス
台湾の「午休」は、ただの習慣ではありません。
それは「一度リセットして、よりよく集中するための知恵」だと言えるでしょう。
昼寝を「甘え」ではなく、「能動的な健康習慣」として肯定する台湾文化は、私たち日本人にも新しい気づきを与えてくれます。

学生時代はお昼ご飯を食べた後の授業で寝てしまうことがほとんどでした。今思えば勉強しなければいけないのに、寝てしまっていては効率が悪かったですよね。

